BATMAN v SUPERMAN

2016年3月25日、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』が日米同時公開されました。僕は公開初日に映画館に足を運びましたが、そのてんこ盛り以上の内容に終始圧倒され、最後にはうるっと目に涙がたまりました。エンドクレジットのハンス・ジマー作曲のピアノの旋律が印象的でしたね~

 

バットマンvsスーパーマン』は2年以上もずっと心待ちにしていた作品でした。2013年に公開された『マン・オブ・スティール』はぱっと見名前からはわからないものの、スーパーマンのオリジンを描く作品。スーパーマンって見た目と名前は有名なのに、エイリアンであるという根本的な設定ってほとんど知られていないですよね

なんとなくポスターのクールな雰囲気と、スーパーマンの映画なのに「マン・オブ・スティール」という敢えてカッコよく外したタイトル、そしてスーパーマンの映画であるという点に惹かれてレンタルで見たんですよね。MARVELとはまた違う独特の雰囲気、あまりにも規格外な超次元バトル……おもしろかったです。

そしてインターネットで設定を調べていたところwikipediaにトンデモ情報が。「『マン・オブ・スティール』の続編」「"Batman v Superman"」

……なんだそれは?!バットマンが続編で参戦?スーパーマンと対決??何が起こっているんだ?!あらゆる情報をリアルタイムで追いかけながらずっと心待ちにしていたわけです。SDCC2014のティーザー盗撮映像から撮影現場の盗撮画像まで何から何までですよ、えぇ

ということで、今回は僕の『バットマンvsスーパーマン』に対する「好き」を語ろうと

 

タイトルが秀逸

まずタイトルがロゴ含めて上手すぎること。

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『マン・オブ・スティール』では「S」のロゴ単品だったのが、コウモリのロゴと合体して登場。このコウモリのロゴもかっこいい。

また、対決といっておきながら「vs」ではなく「v」。敢えて先頭に「バットマン」を持ってくる、そしてマンオブスティールが地味に「スーパーマン」として記載されている。DAWN OF JUSTICEというのも最高にクールだ。ファンなら周知の事、後に「ジャスティス・リーグ」というヒーロー連合を結成するのがこの二人。よってJUSTICE=ジャスティスリーグのDAWN=夜明けということ。DAWN OF JUSTICE、カッコイイ響きだ……

これはバットマンとスーパーマンの邂逅の物語であり、対決はあくまで副次的なものでしかないのです。

あとタイトルとはまた別ですが……第2作目であり、「つなぎ」というポジションというのも良いです。この「つなぎ」のエピソードだからこそ、一作目から追加された要素、本格的に動き出す物語、続編ではどうなるのかという興奮は『帝国の逆襲』に通じるものがあると思います。

 

次に、ザック・スナイダー監督のメイン3人に対するアプローチ中心に書いていきますよ~

スーパーマン

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前作『マン・オブ・スティール』で描かれた2013年の「ブラック・ゼロ事件」でゾッド将軍の侵略から地球を救ったスーパーマン。それから彼はどうしていたのかというと、変わらず地球を飛び回って様々な事件の解決に尽力していた様子。

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しかしなお、そのあまりにも強大過ぎる力や彼の自由な立場は「スーパーマンは脅威にもなりうる」という論調を生み出してもいた……

僕はスーパーマンというキャラクターに対して、興味深いアプローチだと思いました。確かに現実にビルをおもちゃのごとくバンバンなぎ倒し、目から熱線を出して空をマッハで自由に飛び回る超人がおり、彼が戦ったことで数千人も死者が出たら不安も生まれますよね。スーパーマンが手放しに地球の人間全員から拍手の嵐や賞賛の渦をうけるわけでもなく、神のように崇拝される一方、その強大な力と立場について議論の的になるのは今までの作品より現実に即した描写だと思います。f:id:the-Writer:20170426223127p:plainまた、ザック監督が得意としている「画になるカット」により、神話を描いた絵画のような雰囲気がスーパーマンを描くのにピッタリでした。それでいて彼もやはり一人の人間として批判に傷ついたりして悩むのが、また面白いですよね。

 

バットマン

恐らく2014年のSDCC(サンディエゴ・コミコン)で公開されたティーザー映像で物議を醸しだしたのが、バットマン。映像では雷雨の夜にビルの屋上にたたずむバットマンがバットシグナルを起動。夜空に移るコウモリのロゴが雷に照らされた瞬間、スーパーマンがそこには浮かんでおり、2人が静かににらみ合う……f:id:the-Writer:20170426224139p:plain

その時、バットマンの目が光り、シルエットが太いので「バットマンの新形態?!」などと思いました。ザック監督、実はフランク・ミラーによるアメコミ『ダークナイト リターンズ』から引っ張ってきたバットマン像を『バットマンvsスーパーマン』に使ったそうです。すっかり年を取り、肉体も衰え、心も灰色の引退したバットマン。線が太めのガッチリした肉体であり、シンプルなスーツといういでたちは丸ごと、今作に引用されています。そして対スーパーマン用のアーマーも(これらのビジュアルは全てばっちり僕の好みなんですよね)。これぞアメコミ映画ではないでしょうか。ザック監督、目のつけどころがちがう……

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この「疲れた」バットマンも『マン・オブ・スティール』から始まったユニバースに違和感なくなじんでいると感じました。それはベン・アフレックによる演技も大きいのではないでしょうか。表面上は最低限の社交的な感じには取り繕っていますが、内に秘める過ぎ去った年月で煮詰まった絶望や怒りを感じさせる演技でした。『ダークナイト』とはまた違う魅力的なバットマンに仕上がったと思います。

 

ワンダーウーマン

前々から公式画像が公開されており、登場が確定していました。

本編ではカメオ出演程度かなと思いきや……

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最高にキレのあるBGMで最高にカッコいい登場を果たしてくれました。しかも、強い。スーパーマンのように空を飛べずとも、超人的な身体能力、剣と盾を駆使した戦法、あふれ出る闘志。使い込まれて色あせたアーマーとその口調からにじみ出る余裕が、彼女が潜り抜けてきた歴史を感じさせます。また、超人集団であるアマゾネス族出身だけあって、BGM(曲名はIs She With You?)のバックで鳴り響く太鼓が、彼女の戦闘部族であるという特徴を引き立てています。それに、あの強さと容姿や装備、演出から「ギリシャ神話の存在として演出しているのかな」と思いました。ワンダーウーマンの実写化では新しいアプローチですが、大成功だと思います。

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キタ――(゚∀゚)――!!

 

他にも、バットマンvsスーパーマンに関して好きな点は沢山あります。また批判的な意見の中に「暗い」というのがありましたが、僕は仕方ないと思ってます。なぜならこれはまだ「邂逅」であり、「夜明け」だからです。「夜明け前が一番暗い」という言葉がありますが、夜明けを迎えた後に、コレが待っています。

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今年の2017年、『ジャスティス・リーグ』が待っています。『バットマンvsスーパーマン』以上に伏線が大量にぶち込まれていることや、他のヒーローたちのライブアクションや明るい楽しいストーリーを期待しています。また、DCEUの作品群もすべて順調というわけではないものの、様々なニュースが入ってくるので、焦らずに作品の質は落とさないでほしいところです。

 

ということで、『バットマンvsスーパーマン』が大好きなお話でした。 

 

 

 

 

オマケ:この『ジャスティス・リーグ』のコンセプトアートがかっこよすぎて好き

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