マーク47のアーマーに見るスタークの決意

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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で颯爽とMCUに登場を果たしてくれた「親愛なる隣人」スパイダーマン

既に様々なコミックの要素を現実化したMCUでのクロスオーバーも期待されますが、今度のスパイディは実写映画の中で最年少の15歳。

若くエネルギッシュであり、かつ学校での悩みもあるという青春要素も期待できるフレッシュな一作がこの単独作『ホームカミング』です。

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「僕の物語_____始まる」

 

『シビル・ウォー』で示唆された通り、アベンジャーズの一員・大富豪・超天才・そしてイヤミで知られるアイアンマンはスパイディのメンター的存在になる模様。

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さらにスパイディの赤いマスクの下は、育ての叔父を失った思春期のピーター・パーカー。彼にとって父親的存在になるのは必然と思われます。

 

さて、予告編2で敵に真っ二つに裂かれたフェリー船をつなぎとめようとするピンチのスパイディ。

f:id:the-Writer:20170430161446p:plainそこに大量の小型補助リパルサーと共に駆け付けたのは、新スーツのアイアンマンでした。

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よく見ると、『シビル・ウォー』で着用していたマーク46と同型ながら、一部のカラーリングがガンメタルに変更されている事がわかります。

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このアーマーはホットトイズの画像から、マーク47であることが確認されました。

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元ネタになったのは、原作コミックの一つである『アルティメット・アイアンマン』とされています。このように、原作コミックの要素をいかに落とし込んでくるかは、アメコミ映画の醍醐味といえますね

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今回はマーク47のこのカラーリングに込められた意味を考察していきます。

確かに「かっこいいから」「前作(『シビル・ウォー』)との差別化を図りたい」「完全新規造形は手間がかかる」「原作コミックの要素を取り入れたい」という製作上の理由はあるでしょうが、設定的な話としてスタークの意図を探っていきます。

 

『シビル・ウォー』でスタークが負った犠牲は本人にとって大きなものでした。

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』では自分が創り出した人工知能が暴走し、世界を滅ぼしかけたことからアベンジャーズして必死に戦いました。よって「尻ぬぐい」と称されてもおかしくなかったのがこのソコヴィア事件。

それ含め、過去に自分が兵器製造によって犯してきた罪の意識にさいなまされ、学生たちに無償でセプテンバー基金などを提供し、罪滅ぼしを続けていましたが……

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ソコヴィア事件で息子を失った母親に面と向かって「あなたのせいだ」と非難されてしまいます。特にソコヴィア事件は自分が発端となっていたために、これに対して感じた罪の意識や後悔は想像できないほどに深かったでしょう。したがって、彼は国連から提案されたソコヴィア協定にサインすることを決意しています。平和のための戦いによって出てしまう犠牲は、キャプテン・アメリカは「犠牲がでてしまうのは仕方がない」と割り切っているのに対し、スタークは「犠牲は絶対に出したくない」という考えで対立が起きています。

そして、キャプテン・アメリカが親友のバッキーを巻き込んだ陰謀に巻き込まれ、ソコヴィア協定へのサイン含めて空港での大バトルへ発展。そのアベンジャーズの内戦の中、スタークの親友であるウォーマシンことローディが撃墜され、半身不随という大けがを負ってしまいました。

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その後、シベリアでキャプテンとの死闘の末、リアクターを破壊されマーク46は機能停止。したがって、アベンジャーズ分裂による辛い記憶含め、マーク46は「犠牲は出さない」という戒めがこもったアーマーであると推測されます。

アベンジャーズの分裂により、未だ活動可能なメンバーは自分を含めてもヴィジョンの2人のみ。とてもチームとして機能しているとは言えないでしょう(だからこそストレンジやスパイダーマンブラックパンサーの勧誘は急務といえますね)。この現状で、今は活動できないローディの意志を継ぐために、ウォーマシンのメインカラーであるガンメタルをマーク46のカラーリングに取り入れ、マーク47として使用しているのではないでしょうか。外見上はマーク46と同じでも、マーク42→43のように多少の改良やマイナーチェンジはありそうですけどね。

よってマーク47は、マーク46アーマーとウォーマシンのガンメタルを組み合わせることにより、「犠牲は出さない」「ローディの分まで頑張る」という二重以上の決意がこもっているのでしょう。

 

 

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何とかギリギリのところで間に合ったのか、「もしも死者が出ていたらどうするつもりだ?」とピーターを叱責するスターク(とはいえ、予告映像を見る限りピーターがまず駆け付けていなければ事態はスタークが来る前に手遅れになっていたとは思うのですが、実際はどういう経緯なのでしょう?)。『シビル・ウォー』で得た教訓がそのまま彼の言葉として出てきているのですね。

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ピーターからスパイダーマンのスーツを没収することにし、「スーツなしでないとだめなら、むしろない方が良い」と返すスターク。『アイアンマン3』でエクストリミスとの決戦を経てスーツ依存症の状態を乗り越え、「スーツが無くても、私はアイアンマンだ」とアイデンティティを確立した彼だからこその言葉です。

 

 『ホームカミング』に登場するスタークはただのゲスト出演などではなく、彼なりに様々な経験を積んできた一人の人間として、ピーターのメンターとしての役割を果たすのでしょう。

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スパイダーマン:ホームカミング』は8月11日、日本公開。