三大人気シリーズのシェアード・ユニバース

『エイリアン』『プレデター』『ターミネーター』シリーズはどれも根強いファンを持つ人気シリーズ。関連映画がどれも5作以上作られ、今年の2017年9月1日に『エイリアン:コヴェナント』日本公開、2018年8月3日に『ザ・プレデター(原題)』が全米公開、2019年以降に『ターミネーター6(仮題)』が待機しており、まだまだ衰えを見せない勢いです。

 

そんな中、先日面白い考察記事を見つけました。それがコチラ、

popculture.com

『エイリアン』『プレデター』『ターミネーター』は全て同じ世界観に属している!というもの。f:id:the-Writer:20170518185634j:plain「!?」となる内容ですが、個人的にこのような話には興味がそそられるので、取り上げることにしました。一応記述しておきますと、あくまで一ファンの意見なので信ぴょう性などは無く、あくまでネタ記事であることをご了承ください(丁度『塔の上のラプンツェル』『アナと雪の女王』『リトル・マーメイド』『ターザン』はつながっている!という話と同じレベルですので)

 

 

 

根拠1:『プレデター』主人公ダッチはエイリアンと(多分)交戦したから

この情報の出所は、1994年にカプコンから発売されたゲーム『エイリアンvsプレデター』。20世紀FOXが権利を所有している「エイリアン」と「プレデター」が夢の対決を果たすゲームです(映画『エイリアンvsプレデター』よりも前!)。

あらすじ:エイリアンの出現によって地獄絵図と化したアメリカの西海岸にある海上独立都市「サン・ドラド」に降り立った宇宙海兵隊であるダッチ・シェーファー(階級:少佐)とリン・クロサワ(階級:中尉)の2人の軍人が、惨劇の地と化した現場で3体のプレデターに遭遇(プレイヤーとして選択できるのは「ウォリアー」と「ハンター」の2人)。彼らはエイリアンの軍勢に対して共闘することになる。   (出典:Wikipedia

 

プレデター』ファンの方ならピンとくるはず、この主人公ダッチ・シェーファー少佐は『プレデター』主人公のアラン・"ダッチ"・シェイファー少佐と同じ名前です。

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ゲーム中のダッチ少佐の説明は、「異星生物との戦闘を目的に造られたサイボーグ兵士。過去にエイリアンとの戦闘で右腕を失い、修復時に現在のマシンアームへ換装した。」とのこと。ダッチ少佐の写真の上に「CDS-170A3」という型番があります。このCDS、根拠2で詳しく記述しますが、『ターミネーター』のCyberDyneSystemsの頭文字なのでは?つまり、武器を内蔵したこの義手はサイバーダイン社製ということになります。

このゲームのダッチが『プレデター』のダッチその人だ、とは明言されません。また『プレデター2』のメイキング映像で、「ダッチは『プレデター』の出来事の9週間後に命を落とした」という発言があるので、ただのそっくりさんとすることもできますが……。

だがしかし、ここはダッチはプレデターとの死闘から生還した後、今度はエイリアンとも戦った男だという説を押したい!「ダッチは死んだ」発言は結局ファンの解釈によるので、僕は「いいや、エイリアンとの交戦は戦死扱いにされるほど激しいものだったんだ」と主張します!

 

根拠2:『エイリアン』のアッシュは『ターミネーター』のサイバーダイン社が(多分)関与している

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『エイリアン』にてノストロモ号に同乗していたアッシュ。劇中何度かうさんくさい行動を見せますが、終盤にて実はウェイランド社が送り込んだアンドロイドであることが発覚。全てはある「目的」のための行為でしたが……『エイリアン2』にて、やはりアンドロイドのビショップの口から判明したのが、「アッシュの型番はハイパーダイン・システムス社120-A/2」。あれ、どこかで聞いたことがある……

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アレですね。『ターミネーター』『ターミネーター2』などに登場した、後に人類を絶滅寸前まで追い込んだ人工知能スカイネットを開発した会社「サイバ―ダイン・システムズ社」。

実際は、『ターミネーター』と『エイリアン2』はジェームズ・キャメロンが監督・脚本を担当しているので、お遊び的な要素なのでしょうが……

それでも、僕はこれを根拠として言います。『エイリアン』のアッシュ(アンドロイド)には、間違いなく『ターミネーター』のサイバーダインが関与している!と。

舞台設定は、『ターミネーター』が1984年で『エイリアン』が2122年なので、この138年間に色々変わったのでしょう。ウェイランド社が湯谷社を合併してウェイランド・ユタニ社になったように、サイバーダインもウェイランドの傘下になったのだと思われます。ロボット工学の培われた技術は、ウェイランド社に大きく貢献し、その結果としてデヴィッド8,ウォルター,アッシュ,ビショップといった優秀なアンドロイドが誕生することになった……という繋がりなんてどうでしょう。もちろん、これはT-800が頑張って「審判の日」が回避された時間軸ですよ。

 

 

根拠3:3作に同じ人物が登場する

これは根拠というよりは、豆知識的な小ネタとして読んでもらえれば幸いですが……

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ターミネーター』冒頭のチンピラ、『エイリアン2』の海兵隊ハドソン、『プレデター2』の刑事ジェリー。全部ビル・パクストンが演じています。チンピラやっていたころにT-800に一発食らって改心して、刑事になったところでプレデターにぶっ殺され、彼の子孫が海兵隊員になってエイリアンにやられるのかな?(すっとぼけ)

エイリアン・プレデターターミネーターの全員にケンカ売ったのも後にも先にもこの人だけではないでしょうか。

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ビル・パクストンの冥福をお祈りいたします……

エイリアン2』のお調子者でヘタレ、メーンという回数が半端じゃないハドソン、今でも好きなキャラの1人です。

ちなみに、根拠に『エイリアンvsプレデター』を挙げなかったのは、あまりにも自明なので記述は省きました。

 

生じてしまう矛盾点について

ただ、やはり既存のシリーズなのでいくつか矛盾点が生じてしまいます。例えば、

T-800 101型(=シュワちゃん顔)のモデルが違ってしまう

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ターミネーター3』削除シーンに、後のT-800のモデルとしてウィリアム・キャンディ軍曹という人物が登場する(僕の考察だとダッチ少佐がT-800のモデル)

ウェイランド社の社長が違ってしまう

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『プロメテウス』によれば2012年にピーター・ウェイランドがウェイランド社を設立したが、『エイリアンvsプレデター』では2004年にチャールズ・ウェイランドが既にウェイランド社の社長である

『エイリアンvsプレデター』・エイリアンの生態系が違ってしまう

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恐らく『プロメテウス』『エイリアン:コヴェナント』を通して『エイリアン』に登場したエイリアンの生態系のオリジンを描くはずだが、『エイリアンvsプレデター』ではすでにその生態系が確立されている

 

 

このように、シェアード・ユニバースの概念を持ち込むと既存シリーズで食い違いが生じてしまいますが、僕はこれは解決可能だと思っています。

それが、スカイネットが開発した時間転移装置のタイムマシンです。

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そもそもタイムトラベルという概念自体、人によって意見が全く異なり様々な議論を呼びますが……これらは娯楽作品ということで量子力学級まで厳密に検証はしないことにします。

ともかくタイムマシンによって、歴史は何度も、異なる形で繰り返されているというのが僕の意見です。ここで『ジュラシック・パーク』のマルコム博士が提唱しているカオス理論を用います。「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側では竜巻が起こる」というように、この自然界では些細なことが大事を引き起こしたりして、絶対の予測は不可能であるということです。よって、タイムマシンによる未来の知識を持ったうえでの介入は、とてつもない変化を起こす可能性を秘めているのです。したがって、T-800のモデルはキャンディ軍曹からダッチ少佐になり、ウェイランド社の社長はチャールズからピーターになるわけです。『エイリアンvsプレデター』のエイリアンは……プレデターがどこかの星から持ってきたんでしょう(無理矢理)。これに従えば、ターミネーターシリーズで同じ人物の顔やターミネーターの仕様が微妙に異なるのも説明が付きます。

 

 

歴史の裏で起こっていた事

ということで、このシェアード・ユニバースのつながりを時系列順に追っていきます。

南米のジャングルでプレデターと交戦したダッチ少佐は、後に何らかの経緯でエイリアンとも戦います。その壮絶な戦いで右腕を失った彼は、ロボット工学などの最先端を行くサイバーダイン社のモニターになることに。肉体が拒絶反応を起こさないよう調整され、極限まで適合性を高められた「専用義手」を装着され、再びエイリアンと戦うことになります。一方サイバーダイン社は、義手とダッチの整合性を調整する際にダッチから細胞を摂取しました。もしもスカイネットを開発してしまう時間軸の場合、これがのちのT-800 101型のモデルとして採用されることになります。また、タイムトラベルしてきたT-800の歴史改変などによってスカイネットが誕生しない時間軸の場合、経営困難に陥ったサイバーダイン社はのちにウェイランド社の傘下に入り、優秀な義手,義足,そして人造人間=アンドロイドの開発に大きく貢献するのです。本来はターミネーターに使われた技術が、デヴィッド8,ウォルター,アッシュ,ビショップといったアンドロイドを生み出し、その一部はウェイランド(・ユタニ)社の手先としてエイリアン入手に暗躍する……

 

 

 

 

 

 

以上、いかがだったでしょうか。

冒頭にネタとは書いたものの、考察を真面目に進めていくと設定がうまくかみ合うところもあり、結構楽しかったです。最も個人的にはこのシェアード・ユニバースは、MCUアベンジャーズやDCのジャスティス・リーグにように表立った派手なクロスオ―バーではなく、歴史の裏で起こっていた繋がりやバックストーリーといった、「もしも……?」といった静かなものであってほしいと思っています。したがって、考察を進めている中で、設定が繋がるか繋がらないかのこの微妙で危うい境界線はかなりドキドキでしたが、丁度よくもありました。

そんなわけで、今年の8月11日公開の『ターミネーター2 3D』をよろしくお願いしますね!

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