今のうちに『アベンジャーズ4(仮)』についてわかる事、まとめました

※本記事はアベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アントマン&ワスプ』のネタバレ、及び『アベンジャーズ』第4作のネタバレとなりうる情報が含まれています。

 

ルッソ兄弟が、またやらかした

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の衝撃から早半年がたちました。公開前にはよく「MCU10年の集大成」、「アベンジャーズガーディアンズがついにクロスオーバー」、「これまでのヒーローたちが結集してサノスに立ち向かう」……などといった事が言われており、ファンたちの期待はまさに最高潮に達していたと思います。マーベル・スタジオの方も最近のファンの動向を熟知しており、本編は実際に劇場で見てみないとわからないように事前の宣伝も徹底していました。例えば、本編から改変したフェイクシーン満載の予告編が良い例です。思えば前アベンジャーズ二作の時は予告編は公開日の7カ月前に公開されていましたが、IWは6カ月前とファンは若干のお預けを食らうことになったなあなんて思ったり(そのせいかこんな熱狂的なファンも現れる始末……)。

f:id:the-Writer:20181007163104p:plain僕は映画館のポイントがたまっていたのでタダ券を使って4/29の公開初日に見に行きました。あの数々の想像を超え、期待を裏切る感触時の体験はいまだに鮮やかなままです。ロゴが流れ始める時かなたで太鼓のような音が聞こえるもののほぼ無音で「ん?音響が壊れた?」と思った瞬間に流れ始める不気味な音楽。遊びのように成すすべなく命を奪われていくアスガルド人たち。目まぐるしく変わる場面展開にそれぞれの場所に結集していくヒーローたち。独自の哲学・正義によって英雄にして救世主のごとくふるまうサノスの気味の悪さ。そしてあの怒涛のラストの展開です。バッキーが何が起こっているかわからない、と純粋に途方に暮れた顔を残してそのままに文字通り「消え去っていく」様には絶望とはまた毛色の違う、無にも近い感情を覚えました。あの時の頭が真っ白になる空虚さ、その裏に薄々と這ってくる悪寒がそのまま体験として、一種の感情として脳裏に焼き付きました。

「DIRECTED BY JOE AND ANTHONY RUSSO」の文字がバーンと出る時はまだ信じられませんでした。え、ここで終わるの?この後どうするの?と。これまで慣れ親しんできて、これからも何とか頑張って勝利を重ねていくヒーローたちがあっさりと絶命していった物語を僕はどう受け止めたらいいのかまるでわかりませんでした。今までアベンジャーズといえばお祭り作品、特に『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』がMCUで一番好きな僕には辛かったですね……公開前のインタビューで監督が述べていた通り、「これはサノスがヒーローとして自分の道を突き進み、最後に欲しいものを手に入れるという物語である」とみれば、なるほど一応筋は通っています。当初の僕は、その衝撃の余り二度と観たくありませんでした。こんなにひどい展開があって良いのかと。マーベル・スタジオも、明らかなバッドエンドにゴーサインを出したのはすごいですよね。しかしインターネットを通じてファンたちの考察がポツリポツリと伝わってくるにつれ、IWはあの展開の中にも、巧妙にかすかな希望の道筋を残していたことが見え隠れしています。本記事を書いている2018年10月現在、未だにタイトルが明かされない『アベンジャーズ4(仮)』、これまでのMCUの旅路の完結編ともなる作品までもう1年とありません。今回はそれに向けて、多少の心構えをしていくため、IWの一部の重要な出来事を紐解き、『アベンジャーズ4(仮)』の考察をしていこうと思います。

なお、これは一部ではあるものの『アベンジャーズ4(仮)』の確信的なネタバレに踏み込みかねません。素晴らしい作品は時代に関わらず人々に訴えかける普遍的な魅力を持つものです。IWが奇をてらってひたすら観客の期待を裏切り続ける作品であり、『アベンジャーズ4(仮)』でIWの出来事がすべて解決するならば、IWは大金を投じたただの悲劇的な物語になってしまうのではないでしょうか。IWがMCUの代表作、映画史に残る傑作として生き残っていくには『アベンジャーズ4(仮)』が出て、すべての種明かしがされてなお、輝き続ける魅力がなくてはならないのです。つまりIWの全てが次作で万事解決するとは、僕には到底思えないのです。とはいえ何も知らず、IWの絶望に突き落とされる鑑賞体験も本来なら『アベンジャーズ4(仮)』までの1年間しか持たないものであり、それは非常に貴重なものです。本記事はその貴重な期間を短縮するものとなるのですが、僕は意図せずして他のファンの方々の貴重な体験を奪いたくありません。もしSNSなどで本記事の内容を投稿する場合には、「誰が書いたのか」という出典元を明確にするため、リンクを共に張り付けてもらうようお願いします。情報だけがすさまじい速度で拡散し、ネタバレを食らうことで貴重な体験を奪われるという被害も拡大していくという事態を少しでも避けたい、そういった意図を持ったうえでのお願いでした。また、この先を読み進めていただく方は覚悟を持ったうえでお願いいたしますねm(_ _)m

また、以下から

アベンジャーズ』→AVG,『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』→AoU,『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』→IW,『アベンジャーズ4(仮)』→A4

と略称で書きます。

 

すべてはドクターの計画だった

何の情報も入れないままだとIWは絶望のエンディングを迎えたまま終了します。しかし巧妙に隠された希望の中で一番のものは、やはりストレンジの決断ではないでしょうか。当初トニー・スタークと出会ったばかりのころは似た者同士、(案の定)ギスギスした関係でした。その中で彼が再三強調し、マウを排除した後のQシップ内で改めて明言したのはタイムストーンをサノスに渡さない事の重要性です。インフィニティ・ストーンの中でも時間をつかさどるタイムストーンはひとたび敵の手に渡ればたとえこちらが勝利の一歩手前まで行ったとしても時間を巻き戻されて全てがなかった事になる……それほどまでに強大な能力を持ちます。

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「だがこれだけは言っておく。もしも君やあの少年、そしてタイムストーンのどれかしか選べない状況になったら、君たちを迷わず切り捨てる」

「素晴らしい倫理観だ」

ところが、自身の全力をもってしても敗北したスタークがサノスに殺されそうになると、ストレンジが待ったをかけます。これがのちにサノスがストーンを全種類そろえることへの重要な契機となるのですが、明らかに前述の言動とは矛盾しています。共闘を通して協力関係を多少は築いていたとしても、スタークを救うばかりかあれだけ固執していたタイムストーンを手放してしまうのです。結果、自身が命を落とすこととなりました。

f:id:the-Writer:20181007163703p:plainQシップがタイタンに不時着し、ガーディアンズと出会った後彼一人が異様な行為をしていました。曰くタイムストーンを使うことで、サノスとの戦いから生じる可能性のあるあらゆる時間軸を見てきたと言います。

「いくつ見た?」

「1400万と605」

「勝ったのは?」

「1」

観客側にも緊張が走ったセリフでしたが、サノスとの戦いに勝ったといわれる時間軸を「勝利ルート」と呼ぶことにします。『ドクター・ストレンジ』で描かれた彼を見ているとわかるのですが、彼は本っっっっっ当にしつこいです(悪口じゃないですよ)!感想にも書きましたが、門の前に5時間も居座る、絶対に笑わないウォンにジョークを投げ続ける、挙句ドルマムゥに何百回殺されようともそれでもあきらめません。彼は自分の望みをかなえるまで、絶対にあきらめない不屈の精神の持ち主です。そんな彼ですから、当然「勝利ルート」を取ったと考えるのは最早必然でしょう。f:id:the-Writer:20181007163824p:plainということは、彼が時間を超えてあらゆる未来を見た以降の彼の行動はすべて彼の計画の範疇となります。また、未来を見たというのは恐らく結果という一場面をみたのではなく、その結果につながる経緯まで余さず目撃したのではないでしょうか(このある意味チート行為は「この闘いはどのような結末に転ぶのか」「勝つにはどうすればいいのか」といった意図で実行に移したと思うので)。そんな彼には持ち前の一度見たものを映像のごとく記憶する天性の能力があります。ならばタイムストーンを狙ってNYに襲撃をかけてきたカル・オブシディアンの左腕を切断したポータル、タイムストーンを使ってサノスに戦いを挑む、スターロードが「ガモーラはサノスによって殺されてしまった」と聞くのを妨害するなど、観客が「いや、こうすればいいじゃん」といったあらゆる道筋は結局敗北につながることになります。彼のタイタンでの一挙一動はすべて計算されたものということになるのです。

f:id:the-Writer:20181008142253p:plainサノスによって全宇宙の生命の半分が死亡した際、アイアンマン,キャプテン・アメリカ,ソー,ハルク,ブラック・ウィドウ,そしてホークアイも(A4 に登場するので事実上)生存しており、オリジナルのアベンジャーズが残されました。 これは単なる偶然ではないことを監督も認めており、つまりアベンジャーズが生き残る事も勝利ルートの一部であり、ストレンジはスタークを生かしたことになります。ストレンジの目的が、「スタークの生存」「タイムストーンをサノスに渡すこと」の二つならば、そもそもなぜタイタンでサノスと交戦する必要があったのでしょうか?答えは恐らく、アントマンです。

f:id:the-Writer:20181007163923p:plainアントマン&ワスプ』で明らかになったところによると、地球についに襲来したサノスがストーンをすべてそろえているころ、量子世界の神秘を明らかにするためにスコットは量子世界に飛び込んでいました。ピム博士によると、量子世界とは時間と空間の概念が通用しない場所であり、これはウォンに言わせる「存在の各側面をつかさどる」インフィニティストーンの力の及ばない場所であるのです。量子世界に飛び込む能力を持つアントマンの生存、これもまた勝利ルートの条件の一つであり、ストレンジはスコットが量子世界に突入するまでの時間稼ぎとしてサノスと戦ったのではないでしょうか。

ストレンジが勝利ルートのすべてを完璧に理解したことにより、タイタンでの彼の行動はすべて頼もしく見えますが、ストレンジはおろかインフィニティストーンによって命を落とした生命たちへの希望の道筋が、ストレンジの行動から導き出されます。そもそもなぜ彼に勝利ルートという未来が見えたのでしょうか?ドクター・ストレンジ』にて注目すべき場面が二つあります。一つ目はカエシリウスに致命傷を負わされたエンシェント・ワンとストレンジがアストラル体でべランダで会話をするシーンです。

f:id:the-Writer:20181007164138j:plain非常にドラマチックな場面の中で、エンシェント・ワンは望まない未来を防ぐために、タイムストーンを使って何度も時間を巻き戻していたことが示唆されました。しかし彼女がそれを口にする前に、「どうやってもこれより先の未来が見えなかった」と言います。二つ目はドルマムゥに戦いを挑むストレンジ。

f:id:the-Writer:20181007164211p:plain彼はタイムストーンを使うことにより、永遠にループし続ける時間の牢獄を作り出しました。そのループが発動する条件とは、タイムストーンの使用者であるストレンジが死亡=肉体が消失した時と定義されています。この二つの場面より推測されるタイムストーンの性質とは、「使用者は自身の死より先の時間を見ることはできない」ということなのです。

f:id:the-Writer:20181007164233p:plainタイタンで勝利ルートをとったストレンジはタイムストーンを明け渡したことにより、肉体が消失して死亡します。脚本家が「劇中で起こった死は本物です」と強調した通り、ストレンジがただ単に死亡したのならその先の勝利する未来が見えるのはありえないのです。肉体が消失してもなおその先の未来が見えたストレンジは、どこかで「生きて」おり、今もなおその経過を見ているのです。肉体が死亡した以上、アストラル次元にもいられないストレンジが逝った先はどこか?それは終盤にサノスが転送され、幼少期のガモーラと出会った一面オレンジ色の幻想的な世界、ソウルワールドの可能性が高いです。

f:id:the-Writer:20181007164405p:plainソウルワールドとは、ソウル・ストーンによって作り出された異次元のことを指し、名前から察せられる通り生物の魂がその中に存在します。現に、ソウルワールドを意図していたことは監督によって認められています。サノスによって肉体を灰化させられて死亡した全宇宙の生命の半分は、ソウルワールドにいるのではないでしょうか。これを裏付けるかどうかはわかりませんが、サノスの「指パッチン」の瞬間を描いた映像を複数並べた結果、面白い描写が見えたとする指摘があります。

映像はリンク先にて再生していただきたいのですが、『アントマン&ワスプ』オマケシーンにてスコットが地上にいるピム一家と連絡が途絶えた瞬間のことです。つまりピム一家が命を落とした際、色とりどりの虹色の量子世界にてスコットの周りにソウル・ストーンと同じオレンジ色のエネルギーたちが急激に数を増して出現しているのです。これは何を示唆しているのでしょうか?

f:id:the-Writer:20181007164509p:plainまた、メタ的な視点から考えてみてもIWまでは5つのインフィニティ・ストーンは最低映画1作分はあててその能力を遺憾なく描写してきました。そして最後のインフィニティ・ストーンであるソウル・ストーンはIWでようやく登場したのですが、結局その能力自体は明確にはわからずじまいではなかったでしょうか(ストーン自体を手に入れる過程の困難さはしっかり描写されましたが)?次作であるA4にてソウルワールドが取り上げられるとなると、流れとしても自然なように思えます。

f:id:the-Writer:20181010144856p:plainもう一つ、「指パッチン」によって消し去られた生命が本当に死亡したのか検証できる方法があります。カギを握るのはシュリです。16歳にして既にMCUでは最も秀才とされる彼女は、兄であるワカンダ国王ティチャラが急逝したことにより、急遽代理の王座に就くという筋が考えられます。『ブラックパンサー』を思い出していただきたいのですが、ワカンダの王位継承の儀式の一つにハート型のハーブの摂取によって「祖先の場所」に行くというものがありました。そのアストラル次元には歴代のブラックパンサー達の魂がいます。同作にてハート型のハーブはすべてキルモンガーによって燃やされてしまいましたが、シュリの頭脳と残された数々の資料をかき集めれば、ヴィブラニウムによる突然変異によって生まれたハート型のハーブは再現が可能になるのではないでしょうか?先のソウルワールドの仮説が正しければ、ティチャラはそこにはいません。むしろシュリは父のティチャカから励ましの言葉を受けることで兄をもとの世界に連れ戻す事に専念する……という流れでしょうか。これが実現すれば共演の機会がなかった親子が、ティチャラ初登場の『シビル・ウォー』から数えて4作目にてようやく実現することにもなり、ファンとしてはかなりアツいのですが……。f:id:the-Writer:20181010144936p:plain

ここからは完全に予想です。ソウルワールド内に転送されたストレンジは、かつてエンシェントワンがカマー・タージを初めて訪れた自分を、量子世界含む数々の異次元に飛ばしたように、どうにか次元の壁を越えて量子世界を漂うスコットに連絡を取ります(もしかしたら自身が量子世界に行くかも)。サノスという強大な敵がいること、その目的と起こってしまった事、しかし自分たちはこうして別の次元に生きている事……それら必要な情報をスコットに伝えます。スコットはジャネットに近づかないように言われた時間の渦に飛び込み、結果数年先の未来にたどり着きます。そこでスタークに接触することでストレンジから聞いたすべての情報を伝え、スタークはB.A.R.Fシステムによってスコットの見たもの聞いたものを学びます。これが失意のスタークの原動力となる……といった感じでしょうか。

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以前IWのものとしてリークされたプレビズがあります。そこではアストラル次元から現実世界へと語りかけるようなエフェクトがかかったストレンジが、アイアンスパイダーマンに”Peter! Protect them. They are not dead”と語りかけています。何らかの関連がありそうです。また、スパイダーマン役のトム・ホランドがストレンジ役のベネディクト・カンバーバッチと受けたインタビューで「彼の方は大変です!彼は量子世界についていろいろ話さなければいけないので」と発言するなど、この説の裏付けとなりそうな情報もいくつかあります。

 

ロキは本当に死んだのか?

インフィニティ・ストーン6つの力によってその肉体を文字通り消し去られた犠牲者たちは、ソウル・ワールド内に囚われているなどの仮説により、どうにか復活はするだろうというのがIWを見た人たちが漠然と抱く考えであると思います。なら「指パッチン」の前にサノスの手によって生々しく命を絶たれた犠牲者3人はどうなるのか、という不吉な疑問が僕の脳裏をよぎりました。

まずソウル・ストーンの生贄にされたガモーラは、その魂がソウル・ワールド内にとらわれている……と、終盤サノスがソウル・ワールドに入ったシーンから読み取ることもできます。f:id:the-Writer:20181007165024j:plain

次にヴィジョンですが、実はヴィジョンの意識はすでにシュリによってラボ内のコンピューターに転送・あるいはコピーされていたのではないかという指摘があります。マインド・ストーンの摘出は時間不足でできずとも、ヴィジョンの精神そのものは移動もしくはコピーができたということですね。同様の事例で『エイジ・オブ・ウルトロン』でウルトロンの意識をクレードル内に転送する、というのがありました。あれは時間を要してはいましたが、一応説の一つとしてはあり得るでしょう。ヴィジョンの意識は別の場所に転送されただけでなく、そこからヴィブラニウム製の赤い肉体を遠隔操作していた……というのも面白そうです。加えて、『アベンジャーズ4(仮)』のものとされるリークされたコンセプトアートには、ワカンダを背景にストーンを取られて色を失ったヴィジョンが活動している場面が描かれています。f:id:the-Writer:20181007164810p:plainf:id:the-Writer:20181007164816j:plain

そして、ロキです。ロキをめぐっては特にファンの間でも激論が交わされたのではないでしょうか。少なくとも、個人的にはやはりロキの動きは何か違和感がありました。誰もが察した通りサノスによって殺されるのは目に見えていたはずですが、その一歩先を行く意図とは何だったのか。ロキの生存説ひいてはA4登場説をめぐってさまざまな説がある中で、大きく分けて二つになると思います。ステイツマン内で、サノスによって首を締めあげられたロキは本物だったのか否か、言い換えるならあそこでロキは死んだのか否かです。ここでは、僕が個人的に面白いなと思った説を紹介させてもらいたいと思います。

結論から言うと、あのロキは本物でした。ロキはサノスの手によって死亡しました。しかし、ここで原作コミック及び更に原作の北欧神話の設定が登場します。「死は終わりではない。戦いによって死んだアスガルド人は、その魂はヴァルハラに送られる」と。このヴァルハラ、実は『バトルロイヤル』にて登場したと考えられます。オーディンがその肉体がエネルギーと化してなお、ソーに助言を与えたあのノルウェーの草原です。実際、ソーはハルクやヘラに死ぬ寸前まで追いつめられることでソーの意識はあの草原につながりました。よって、あそこは地球の魔術師たちが行くアストラル次元・ワカンダの歴代の王が行く祖先の場所に並ぶ、アスガルドのアストラル次元と言ってもよいでしょう。祖先の場所には死してなお、歴代のワカンダ王の魂が生き続けています。ならば、アスガルドのヴァルハラには今誰がいるでしょうか?オーディンです。オーディン、もしかしたら歴代のアスガルドの王たちの知識や援軍を求めてロキはあえてサノスに「戦いを挑み」、そして「殺される」ことでヴァルハラに行ったということです。「オーディンソン」と名乗った際はヴァルハラに行く際、真のアスガルド人であると心の底から認める必要があったという可能性もあります。もしかしたらヴァルハラから現世へと戻ってくる術もあるかもしれません。

f:id:the-Writer:20181007165010p:plainまた、ロキがあそこで「死亡」するのはヴァルハラに行くという目的だけではありませんでした。彼は一度ブラック・オーダーやガモーラ、ネビュラとと並んでサノスの配下になったゆえ、サノスの行動理念もよく理解していたはずです。「全宇宙の生命を半分にする」、そして何より「均衡(バランス)」です。サノスはロキがよみがえったという話を知っている以上、ソーとロキがアスガルドを統べる兄弟ということも知っていたことでしょう。このままロキが生き延びて再びサノスにつけば、サノスは均衡の理念に従ってソーを殺してしまう可能性が高い。数々の計算を行った結果、ロキはあえて一見無謀に見える行為に走ったと考えられます。実際、サノスはロキが自分の手で無残に死んだことで非常に満足げな反応を示していました。

f:id:the-Writer:20181007164854j:plainそれが功をなしたのか、ソーはステイツマン内でも直接手を下されることはなく、「指パッチン」も生き残りましたが、そのあとロキはどうやってソーに接触するのか?

ルッソ兄弟の指揮下で、ダラム大聖堂にて撮影が行われました。SNS上の投稿によって共有されたときは、それがIWなのかA4に登場するのものなのかわかりませんでした。現在はIWに登場しなかった以上、A4に登場するものとわかりましたが、このセット内に注目すべき像があります。

AoUの洞察の泉でソーがみたラグナロクの夢と同じものです。あのアスガルドなのに異界のような雰囲気を考えると、ソーが行くのは黄泉の国のようなところという可能性が考えられますね。大聖堂での撮影にはヴァルキリー役のテッサ・トンプソンとロケット(のダミー)が撮影に参加。そのほか、ソー役のクリス・ヘムズワーズとバナー博士役のマーク・ラファロが近くのスコットランドにいました。二人とがIWで地球を訪れたのはワカンダあるいはNYのみなので、「破天荒チーム」リベンジャーズが勢ぞろいでこの謎のシーンに参加しているのは確定です。そして近くでヘラ役のケイト・ブランシェットの目撃情報が入りました。具体的な内容は不明ですが、ソーを中心にアスガルド人たちの死者の国との交信があることは確定と言って良いでしょう。それを裏付けるように、以前マーク・ラファロが「(ヘラ役の)ケイト・ブランシェットや(エンシェント・ワン役の)ティルダ・スウィントンと仕事をした、彼女たちは~」とポッドキャストで述べていました。その時点で彼がその2人と仕事をした映画はありません。つまり、それはIWでもなくA4のことを指しているのです。ヘラがA4に再登場するのは確定として、エンシェント・ワンまで登場するとは意外ですね!さすが至高の魔術師といったところでしょうか……。

f:id:the-Writer:20181013102238p:plain『バトルロイヤル』該当シーンをコマ送りで見るとわかるのですが、巨大なサーターに立ち向かうヘラが、サーターに大剣を突き立てられるその瞬間、緑の閃光を放っているんですね。天性の能力にテレポートがあるヘラは、サーターに剣を突き立てられるその瞬間まで、アスガルドからそれこそ際限のない力を得ていました。となると、ヘラが向かった先はヘルあるいはヴァルハラなど、ロキのように単純に死亡したわけではなさそうですが……?

よって、ヘラまで関与するこの「黄泉の国」のシーンでソーとロキが再開するというのがこの説です。

 

ニック・フューリーとアベンジャーズ計画

f:id:the-Writer:20181010143706p:plain先ほどサノスが勝利したにも関わらず、NY決戦にて結集したオリジナルのアベンジャーズが全員生存していると書きました。ガーディアンズ、ストレンジ、スパイダーマンブラックパンサー、ワスプに至るまでヒーローたちは容赦なく消滅しているのに、この6人が一人も欠けることなく生き残る…明らかに何か不自然ではないでしょうか?ここで、(もうネット上ではかなり広まっているかもしれないですが)有力な説を載せさせてもらいますね。恐らくこの説は日本ではこちらが初出かと思われます?

今日匿名マンとしゃべってたアベンジャーズ4の予想メモ:キャプテン・マーベルは90年代が舞台でフューリーとコールソンが登場。もしかしたらそこで「アベンジャーズ計画」の始まりが描かれるのでは?
予想:
フューリーは何か、あるいは誰かの警告によっていずれ訪れる脅威を知る。
その際に協力してもらうことをキャプテン・マーベルに約束し、コールソンと共にアベンジャーズ計画を立案。その他さまざまな準備のため暗躍を開始

大胆な仮説:
フューリーは未来を知る誰かからの警告を受けたのでは?

フューリーに警告した候補:
未来からアストラル体を飛ばしたストレンジ?
時空間の影響を受けない量子空間を通してメッセージを送ったアントマン
あるいは”一周目”で失敗した(サノスの計画を阻止できなかった)時間軸の誰か?

地球の危機を察知しキャプテン・マーベルに連絡したフューリー。今までも大きなピンチはあったのになぜ今?
→サノスの計画と彼の到来を予期していた?
キャプテン・マーベルこそがサノスへの切り札になり得る?
←そもそもなぜ地球のヒーローたちを集めようと考えたのか?

アベンジャーズ計画。MCUには過去から超人が多数存在するのになぜ彼らが選ばれた?
アベンジャーズ初期メンバーがなぜ揃って消滅を生き延びた?
→そもそも「消滅しないことが確定しているメンバー」を集めてチームを結成したのでは?
←サノスが指パッチンを成功させることは確定事項であり、その後でサノスを倒しガントレットによって起こった現象を取り消す(Avenge)ことこそが最終目的?

ナターシャとバートンはS.H.I.E.L.D.エージェントとして雇用、
スタークにはコールソンを監視につけ彼がアイアンマンとなった際には直接接触し協力を要請、
S.H.I.E.L.D.と協力関係を結んだスタークにハルクの情報を探らせる、
ソーのハンマーが落ちた際にはコールソンを派遣し地球にやってきた彼を仲間に、
チタウリ襲来に備えてスティーブを掘り起こし覚醒させる……

大消滅までに欠員が出てしまった時のためのプラン(T.A.H.I.T.I.)まで用意されていた。このメンバーが揃うことに重要な意味がある?


〜ここまですべて妄想〜

ちなみに匿名マンさん(@amefig_9836)と始条アキラさん(@AkiraShijo)はどちらも非常にMCUに精通しているお方ですが……非常に興奮させられる内容ではないでしょうか?


キャプテン・マーベルの情報が不足しているので踏み込んだ説明はできませんが、個人的にはニック・フューリーは事前にサノスの襲来と結末を知っていた事・キャプテンマーベルとはその同盟を組んでいた事は確定事項だと思うんですね。また、フューリー演じるサミュエル・L・ジャクソンはこんな気になる発言もしています。

 

f:id:the-Writer:20181010115943p:plainフューリーはMCU第1作目『アイアンマン』オマケシーンにて初登場し、「私がアイアンマンだ」と正体を明かしたトニー・スタークの元を訪れて「君はより大きな世界の一部になったに過ぎない」「アベンジャーズ計画の話をしに来た」と告げました。90年代を描く『キャプテンマーベル(原題)』で起こる何らかの出来事により、いずれやってくるサノスの引き起こす大惨事を知ったフューリーが、地球側の対抗策であるアベンジャーズのメンバーとしてスタークをリクルートしに来るのは自然な流れです。

f:id:the-Writer:20181010121102j:plain思えば『アイアンマン2』ではフューリーは、自分の命に関わるアーク・リアクターこそが自身の命を縮めていると知って自暴自棄になったスタークのもとを訪れています。スタークを立ち直らせるためにあらゆるサポートをしてくれましたが、S.H.I.E.L.D長官としての立場を考えるといやに丁寧というか、スタークに対して「優しい」です。まるで個人的に気にかけてくれているように。そしてようやく地道な工作が実ったことで、サノスの差し向けたロキとチタウリ軍との戦いであるNY決戦では何とかアベンジャーズは機能しました。それから3年後のAoUでは、宇宙の脅威への恐怖から自ら災厄を創り出してしまったスタークのもとを訪れています。f:id:the-Writer:20181010115706p:plain「S.H.I.E.L.Dの長官ではなく、ただスタークのことを気に掛ける一人の老人」としてまたもや個人的にアドバイスを与えるフューリーですが、スタークがワンダに見せられたというものを語る時にこう言います。

「仲間が死ぬのを見た。それよりひどいことがあるか?……いや、あった」

「それは君が生き残ってしまったことだ」

AoU公開時点では人生経験豊富なゆえのアドバイスに聞こえますが、今になって改めて見てみるとまた違ったように聞こえませんか?あたかもスタークが何を恐れ、その身に何が起こるかを知っているかのように。

f:id:the-Writer:20181008141848p:plainそのさらに3年後、NYとエディンバラに突如異形の宇宙船が襲来、スタークが行方不明になったため、フューリーは車内で右腕のマリア・ヒルに状況を調査させています。ここでも第一に安否を気にしているのはスタークです。そしてついに、来るべき瞬間が訪れます。

目の前でマリア・ヒルが消滅した時の彼の表情に注目すると、あまりの衝撃に動揺している……というよりむしろ、聞かされていたあの時がついに訪れてしまった、というように見えませんか?あたかもずっと前から覚悟はしていたように。そして的確にキャプテンマーベルへの救援信号を送っています。彼自身が消滅した後も、信号を送り届けたポケベルにはキャプテンマーベルのロゴが表示され、送信は成功しました。『キャプテンマーベル(原題)』で最後の希望である彼女の力とその意味が明かされるのが楽しみです!

アベンジャーズとは報復者たち、ボロボロにやられても必ず逆襲する意味合いが込められています。今アベンジャーズはバラバラの状態です。中心メンバーであるキャプテンアメリカとアイアンマンは決裂したまま、アイアンマンはキャップがいる地球から遥かかなたの荒廃した惑星タイタンに置き去りです。ホークアイもソコヴィア協定違反で逃亡犯扱い。そして全力を尽くしてもなお敗北したサノスにすべてを奪われました。そんな彼らが誰から何を受け取ることでこの<報復>に火が灯るのか。A4での彼らの巻き返しに期待しましょう……。

 

 

 

 

最後に

この記事ではA4に向けて考察を中心に予想をあれこれ詰め込んでみました。実際に撮影現場の盗撮写真を見るとかなり不可解な状況になっており、ストーリーがつかめそうでつかめません(まだ見たことがない方は Avengers 4 setphoto でググってみてください)。上に書いたこと全てが当たっていればもちろん嬉しいですし、ほかにも細かいですけど気になる情報もいくつかあったりしてそれらが当たっていれば最高に盛り上がります!監督のルッソ兄弟9月19日に「よく見て…」というツイートをしたのですが、

 (ルッソ兄弟は2015年7月からTwitterを利用しているのですが、過去一定期間の投稿が一斉に削除されたので、この投稿もいつみられなくなるかわかりません)

一説にはハシゴにMESEとイタリア語で「1か月」を意味する単語が確認できることから、「タイトル発表まであと1か月」という意図ではないかとのことです。IWの初予告編公開は2017年11月29日でしたが、まだタイトルが正式発表されないA4なのでIWと同時期のおよそ1カ月以内に、タイトルと予告編を公開するのではないか、と個人的に考えています。さてさてタイトルと予告編は別々に来るのか、予告編一つで両方一気に済ませるのか……。

監督も脚本家も勘の鋭いコミックファンたちの予想を避けようと大変だと思います……この記事に書いた内容がすべて当たっているということはないと思いますし、下手するとすべて間違っているという可能性もあります。とはいえ、これだけ膨大な予想合戦を引き起こすほどの映画がIW及びそれまでのMCUであり、その熱量の一端の記録として十分意味はあったと個人的には思っています。とにかく僕としてはサノスをフルボッコにしてもらいたいですね。それと長さ的にコラムのようになるかもしれませんが、IW,A4つながりでインフィニティ・ガントレットに関する記事を一本書こうかと考えてます。その記事でA4に向けて盛り上がれたらなーなんて( ・ω・)

これまでのMCUの完結編・一部のヒーローたちの終着点となるA4が、1年と経たずに来るのが何だかまだ早すぎる、そんな気がするんですね……。