削除シーンがメガ盛りMAX!!『ジャスティス・リーグ』のザック版は3時間あってもおかしくない

今この記事を読んでいる方は、大なり小なりオリジナルの『ジャスティス・リーグ』を求めている方だと思います。その前提のもと、今回は例の「スナイダー・カット」について更に話を進めていこうと思いますね。

(まだ前回の記事を読んでいない方は、↓を読んでから今回の記事を読み進めることをお勧めします)

前回の記事で、スナイダー・カットが存在することが証明されました。その証明を書くのに大いに参考にさせてもらった「JLのザック・スナイダー・カットはあなたが思う以上に出来上がっていた」という記事は、某人物からの情報提供によってその情報を知るに至りました。また、その方による情報提供はいくつかありましたが、その二つ目とは「ワーナー・ブラザーズの内通者がオリジナルのJL(=スナイダー・カット)のラフカットを見た」という記事です。その記事をよく調査したところ、その情報のソースはSuperhero Talk SiteというファンメディアのHaroon Shareef氏によって書かれたものでした。

f:id:the-Writer:20180301135831p:plain

このShareef氏、それ以外にもかなり興味深い記事をいくつか書いています。今回の記事では「ラフカットを見た」含め、計3つの記事を訳しつつ、その内容をお伝えしようと思います。かなり長くなる上、前回と違ってソースがソースゆえに100%本当とは限りません。それを了承できる方のみ、貴重な情報が大量に詰まった記事として受け止め、読み進めていただければと思います。

 

 

削除シーン一覧:ワーナー・ブラザーズ内通者がShareef氏に伝えた内容

第1にお伝えするのは劇場版にはなかったシーンの数々。2017年11月19日に投稿されたその記事は劇場版を基準に、削除されたシーン・長かったシーン・異なるシーンの3種類に箇条書きにして記していました。製作関係者の証言ではなく、「内部に居る人間によれば」という類の話なので、絶対に正しいという事は保証はできません。しかし今や少なくともスナイダー・カットは事実上存在することが判明しているので、こうして書き進めていく次第です。

ソース:ザック・スナイダーの『ジャスティス・リーグ』から削除されたシーン

ワーナー・ブラザーズの幹部に向けて、オリジナルのJLのラフカットの試写会が行われたそうです。以下そのスナイダー・カットから劇場版に至るまでに変更されたシーンを書いていきますが、劇場版から削除されたシーンを「削除」・長かったシーンを「延長」・そもそも展開が変更されたシーンを「変更」と記します。また、補足としてイメージしやすいように、記述と符合するザックが撮ったと思われるシーンの写真も添えますね。

 

f:id:the-Writer:20180228150433p:plain延長:映画はブルースがアクアマンをリクルートするところから始まる。劇場版とは基本的に同じシーン。セリフのいくつかがウェドンによって加えられ、ザックのが少しカットされた。アクアマンはブルースに対し、劇場版よりも反発気味で己を閉ざしていた

削除:バリー・アレンはアイリス・ウェストがいると知って図書館を訪れる。彼女に話しかけようとするも、どもって赤面する。「今日の所はもう父さんに会いに行く」と言う。アイリスは彼のそんなおどおどしたところが好きだが、彼がそこまで特別だとは思っていない。バリーがアイリスにかっこいいところをみせようとして指で窓ガラスを割る(観客は初めてバリーが能力を使うのを目撃する)。アイリスとその他大勢がその破壊に驚くと、バリーはただ「ガラスが弱かった」と言って立ち去る

f:id:the-Writer:20180228152141p:plain延長:ダイアナによる歴史の授業。ワーナー・ブラザーズは劇場版からグリーンランタン、ゼウス、そしてアレスまでもがセリフをカットし、内通者は劇場版を観て驚いた。彼ら一人一人には数行分のセリフが当てられていた。あとアンティオペとヒッポリタも。どうやらアクションだけに集中するため、劇場版はセリフは全カットのようだ。

f:id:the-Writer:20180228142844p:plain削除:セミッシラからマザーボックスを奪還した後、ステッペンウルフはボックスに実際に「語り掛ける」。ステッペンウルフの母「マザー」であるヘッグラの本質は3つのマザーボックスの中で生き続けている。それらすべてを集め合わせれば、彼女の力は開放される。その力はステッペンウルフのボスであり、甥であるダークサイドを超えるほどのものである。それを得る事こそが彼の元々の計画だった。ヘッグラに語り掛けるシーンのセリフが予告編に使われていたから、ワーナー・ブラザーズはこのシーンは残しておくだろうと思っていた。「守るものはもういない。ランタン共も。クリプトン人も。この世界は陥落する。マザー、あなたは自由になる」

f:id:the-Writer:20180228142810p:plain削除:サイボーグの生前の暮らし。彼はフットボールの試合で活躍し、母(彼女もキャスティングされていた)がそれを観戦している。その後、車で帰路に着く。ヴィクターは父が最後まで姿を見せなかったことに対して怒っており、母がそれをなだめようとしている。ヴィクターは更に怒り続けて母に食って掛かり、車のコントロールを失い、事故を起こす

f:id:the-Writer:20180228150314p:plain延長:ゴードンのシーンは、劇場版にはなかったちょっとしたシーンがあった。ゴードンは薬物中毒者を開放して軽く声をかけてやり、その後警官がパラデーモンを描いた絵を持ってくる。彼とリーグの会話ももっと長かった。まず、ワンダーウーマンに「彼女がロンドンでの報告で何度も登場する女性なのか」と聞く。その後、サイボーグに「どうやって物を食べるのか?そもそも食べる必要があるのか?」とも

f:id:the-Writer:20180228150350p:plain削除:ステッペンウルフによるアトランティス襲撃後、アクアマンは彼が次に何をすべきかをメラや相談役のヴァルコ(注釈:ウィレム・デフォーが演じる)と相談する。メラとしては「Ormが信用できない」との理由から、彼に王になってほしい。ヴァルコは彼の心の声に従ってほしいと言う。アクアマンは、地球の人々の助けるべきという責任を感じていると告白する。

f:id:the-Writer:20180228142930p:plain削除:ステッペンウルフとゴッサム地下で交戦した後、リーグがバットケイブを訪れる。アルフレッドはリーグのメンバーに対してそれぞれユーモラスなリアクションを見せる(注釈:アルフレッドのリアクション映像がリークされた。僕も見た事があるのでその内容を書くと、ワンウー→励ますようにポンと腕を触られたので微笑む・サイボーグ→一瞬ポカーンとなってフーと息を吐きだして彼なりの驚きを示す・バリー→めっちゃ手を振ってくるからニッコリ笑いながら手を振り返す・アクアマン→丁度映像が途切れたため不明)。ブルースは以前見た悪夢“Knightmare”(注釈:BvSでブルースが見た意味深なアレ)について、リーグに向けてその内容を語る。そこから考えて、ブルースはステッペンウルフがスーパーマンの力を求めて蘇生させると踏んでいる。「邪悪なクリプトン人と戦いたくなければ、奴より先にやるしかない」

変更:スーパーマンの復活が可能だった理由はただ一つ、サイボーグがスーパーマンの肉体に異星由来の遺伝子物質、コデックスを感知したから。これがスーパーマンを呼び戻すことが可能となる最後の決め手となる。その後の蘇生の流れはほとんど同じ。

削除:デスストロークがレックスを脱獄させる。警察の追跡があるので「予め話し合った地点」で合流すると決めた後、その場は一旦分かれる。

f:id:the-Writer:20180228143017p:plain削除:ケント農場。復活したクラークはリーグ相手に暴れまわった後、ロイスをここに連れてくる。しかし彼は何が起こっているのか理解できず、ひどく混乱している。傍観者たちが彼を見て写真を撮っている。彼は更に混乱し、実際にヒートヴィジョンでその市民たちを攻撃しようとしてしまうが、ロイスは何とか彼を落ち着かせることに成功する。クラークが「声が黙らないんだ」とロイスに言う。その後、既に家にいるクラークとロイスのところにマーサが来る。クラークはさっきよりは落ち着いたが、まだとても混乱している__彼の能力の制御が付かず、感覚が高まりすぎている。マーサは「世界を海だと思って。私の声を追って、戻ってくるの」とアドバイスを与える(MoSで幼いクラークに与えたアドバイスのリプライズ)。それによってクラークはようやく落ち着いた。その後、クラークはシャツを着て平原でジョナサン(MoS,BvSから引き続きケビン・コスナー)を目撃する。クラークは会いに行く。ジョナサンは「本当の自分を受け入れる」ことについて語る。彼はクラークに「自分が何者か、それに折り合いをつけるんだ。お前がどんな人物であれ、世界を変える力を持っている。正義の人物としても、悪としても」ロイスも出てきたとき、クラークは自分の一部としてスーパーマンを受け入れる。クラークは婚約を確かめ、ロイスはついに「自分が十分に強くなかった」と感情があふれ出す。その時、マーサも出てくる。クラークはリーグを助けることを決意し、その場を飛び立つ。内通者の観たバージョンではこうであり、いくつかのセリフは多少は補ったかもしれないが、基本的にはこんな感じだったそうだ。

f:id:the-Writer:20180228145932j:plain削除:クラークがアルフレッドに会いに行き、スーツを獲得する(注釈:この映像はVFXや音楽まで映像として完成した状態で、円盤に特典映像として付属している)

削除:ステッペンウルフとヘッグラの二度目の会話。彼はついにすべてのマザーボックスをそろえ、三位一体によるヘッグラの復活が始まる

変更:スーパーマン復活後のブルースとダイアナの会話。ダイアナが来てブルースの脱臼を治す。ブルースは世界を救うため、自らは死のうとしていることを明かす。「自分がこれまでしてきた事を考えるなら、自分は死ぬべきだ。何も、たとえスーパーマンへの憎しみですら自分が行ってきた殺人行為を正当化することはできない」ダイアナは「彼はもう変わった」と言うが、ブルースの自分の命を犠牲にすることで、やっと罪を償えるという意志は固い(注釈:ダイアナの「彼」がブルースなのかクラークなのかわからない。原文における鍵カッコに相当するクオテーションマークが記載ミスか?)

f:id:the-Writer:20180228143801p:plain変更:最終決戦においてブルースのバットモービルは死への一直線を突き進むが、そこにワンダーウーマンとアクアマンが介入して助ける。彼らは戦死は何にもならず、生きて戦い続けることこそが必要だという。

変更:スーパーマンもついに戦闘に参加し、リーグと連携。しかし、ここでステッペンウルフがスーパーマンを自分たちの軍勢と手を組むよう誘惑しようとし、スーパーマンにヴィジョンを見せる。悪夢”Knightmare”の映像がいくつか入っており、そこで(観客は初めて)ダークサイドの姿を目撃することとなる。しかし、スーパーマンはそれをはねつけ、ステッペンウルフに最後の一撃を食らわせ、倒す。

削除:惑星アポコリプスでステッペンウルフはダークサイドによって処刑される。ダークサイドは「クリプトン人に合う」ため、地球へ向かう決意をする(ただし、このシーンはザックがいる段階で早々にカットされた)

f:id:the-Writer:20180228144104j:plain削除:村の沿岸で、アクアマンはメラと合い、アトランティスへと戻ることにする。バリーは図書館に行き、アイリスは彼にかわいらしく微笑む。

f:id:the-Writer:20180228145752p:plainもう一つのエンディング(1):サイボーグが3つのマザーボックスを引き離そうとし、ヘッグラはやめさせるために説き伏せようとしている。怒り狂ったステッペンウルフは彼をつかむと引き裂く。サイボーグはこれによって死ぬ

もう一つのエンディング(2):ブルースとバリーはビクターの「遺体」をバットケイブに横たえる。ブルースは彼の「彼の有機組織部は死んでいるが、彼の機械部を再起動させることができるかもしれない」という。バリーはどんな方法を使ってでも助けると約束する。

削除:ロイスはデイリー・プラネット編集長のペリー・ホワイトに「クラーク・ケント、またの名をスーパーマン」と紹介する(ペリー役のローレンス・フィッシュバーンは撮影のスケジュールが合わなかったため、姿は映されない)。

f:id:the-Writer:20180301141807p:plain削除:主要撮影で撮られたオリジナルのアフター・クレジット・シーンは、夜の湖畔の家で眠っていたブルースが緑色の光に起こされるというもの。グリーン・ランタン・コーズのトマ・レーとキロウォグの来訪である。ポスト・プロダクションの早い段階でカットされた

※もうひとつのエンディングは、試写を観た観客によるネタバレ防止用に挿入された

(注釈:サイボーグが最終決戦中に死んでしまったら、ラストのリーグ6人が並ぶシーンが撮れなくなってしまうじゃないか!と思いましたが、読み進めていくと「もう一つのエンディング」の説明がありました(; ・ω・) また、そのシーンでスローモーションでフラッシュとサイボーグが握り拳を突き合わせていましたが、それは「ザックが撮った」そうなので、それに従ってあのシーン全体もザックによるものとなりますね。実際、恐らくそのシーンの撮影の合間に取ったであろう写真も公開されています)

f:id:the-Writer:20180228163616j:plain

 いや~、2時間にまとめられた劇場版と比べるとファンが大満足しそうな充実っぷりですね。特にその立ち位置を理解しているかのように、BvSの直系の続編要素にとどまらず、改めてMoSのメッセージをクラークを真の意味でよみがえらせるために持ってくるのがニクい。確かに、この内容なら3時間に達しそうな勢いですし、それでも僕は喜んで観ると思います!

 

削除シーン一覧:ultracal31さんが伝えた内容 

第2にお伝えする内容は、ResetEraという掲示板のultracal31さんの投稿。同じくラフカットを観るに至った経緯をultracal31さんは述べていないものの、恐らく上記の内通者と同じくラフカットをどうにかして観られる立場の人物であると推測されます。

これはザックが撮ったジョスが加えたと細かく記述していますが、ここではあくまで劇場版からカットされたシーンのみに絞って書いていきます。

 

f:id:the-Writer:20180228144236p:plain削除:アパート内でロイスとマーサが話すシーン(注釈:ロイスのアパートか)

f:id:the-Writer:20180228150524p:plain削除:ステッペンウルフのセミッシラ襲撃時、パラデーモンの攻撃を食らったアマゾンの1人がパラデーモン化していく。彼女は変身が終わる前に自決した。その一連のシーンはVFXまで完了していた

f:id:the-Writer:20180301142313p:plain削除:自宅のアパート内でのヴィクターと父サイラスの会話はもっと長かった。ヴィクターは道行く人々を窓から眺めながら、彼らが送っている人生を羨ましく思っている

f:id:the-Writer:20180228144326p:plain削除:バットマンの”My turn”。予告編でも印象的な使われ方

f:id:the-Writer:20180228144400p:plain削除:ステッペンウルフの壁に叩きつけたワンダーウーマンに向けた攻撃がかわされて壁に当たり、建物の崩壊が始まる。外にいたS.T.A.Rラボの研究員たちにがれきが降り注ぎ、フラッシュが高速でそれらを退けるが、一つだけ取り逃がしてしまう。そのがれきが研究員に激突する寸前、サイボーグの狙撃で事なきを得た。

f:id:the-Writer:20180228152420p:plain削除:スーパーマン復活のためにクリプトン船に侵入するリーグ。サイラスがフェイクのコードレッドを発令して内部にいた人間を全員避難させることで、スムーズに侵入可能となる。また、アクアマンとフラッシュの会話があった

f:id:the-Writer:20180228152635p:plain削除:いよいよマザーボックスとフラッシュから生じる電撃でスーパーマンを復活させるとき。サイボーグがカウントダウンを行うが、BvSのブルースと同じくヴィジョンを見る。カウントダウンが1を切った瞬間に見えたそのヴィジョンは、可能性の未来として荒廃した未来、リーグの終焉、そして一瞬ながらダークサイドの姿も目撃する

f:id:the-Writer:20180228150840p:plain削除:復活したクラークが暴走してリーグと交戦するが、その時フラッシュがクラークに蹴りを入れようとする

f:id:the-Writer:20180228150915p:plain削除:3つのマザーボックスの融合=三位一体が始まり、赤く染まる空と生じる雷という異変に反応する世界各地の人々。マーサ、ロイス、サイラス、ゴードン、アクアマンが居た村の人々、ロンドンの市民など

f:id:the-Writer:20180228144457p:plain削除:中心にワンダーウーマンが着地、”Shall we?”

削除:最初はワンダーウーマンがステッペンウルフの首を切り落として戦いは終わるはずだったが、後に変更された。ステッペンウルフの死に方は何回か書き直されている

削除:……といっていいのか微妙。そもそも撮影されたのかどうかすらわからないが、ワンダーウーマン、スーパーマンバットマンのトリニティがブームチューブの向こう側にいるダークサイドの姿を目撃する

 

 

実はサイボーグも"Knighmare"をみていた

さて、本日第3にお伝えする内容。それはあるシーンの詳細な供述なのですが、その中心人物はサイボーグです。上記のultracal31さんの

削除:いよいよマザーボックスとフラッシュから生じる電撃でスーパーマンを復活させるとき。サイボーグがカウントダウンを行うが、BvSのブルースと同じくヴィジョンを見る。カウントダウンが一になった時に見えたそのヴィジョンは、可能性の未来として荒廃した未来、リーグの終焉、そして一瞬ながらダークサイドの姿も目撃する。

の個所ですが、それはいったい何を意味するシーンなのか。

BvSでブルースはルーサーの暗号を解読中に不意にみた不可解なものを見ました。バットマンである自分がレジスタンスのような組織のリーダーであり、荒廃した世界、あちこちから立ち上る文字通りの火柱、そして地面には巨大なΩのマーク……

f:id:the-Writer:20180228152521j:plainバットマンの異名であるダークナイト"Dark Knight"と悪夢"Nightmare"をかけて、この一連のシーンは"Knightmare"と呼ばれています。

ところで、Screenrantよりある削除シーンの絵コンテが公開されました。左から右へ、下向きに読み進めていくとわかりますが……

f:id:the-Writer:20180228144418j:plain
今作のヴィランであるステッペンウルフの甥・惑星アポコリプスの支配者・いずれリーグと戦う最強の敵、ダークサイドが描かれています。これを見ると、3つのマザーボックスが三位一体を達成した場合、そのあまりにも膨大な力によって地球は一瞬のうちに滅亡に追い込まれるようです。それもBvSのKnightmareをより詳しく描いたようであり、JUSTICE LEAGUEと文字が刻まれた門?が埋もれ、リーグが壊滅している事もうかがえます。それがサイボーグのみたヴィジョンと符合する、という考察です。

f:id:the-Writer:20180228153243j:plainブルースがKnightmareをみた原因は不明ですが、「起こりうる可能性の未来」として、ダークサイドの侵攻を食い止められなかった・スーパーマンは悪に堕ちた・地球は支配されたという最悪の未来で、自分の最後の瞬間を追体験している事が推測されます。

ならば、JLでサイボーグがみるKnightmareも未来の自分の最後の瞬間と考えられます。だからダークサイドの姿を一瞬だけ目撃し、最後は悪のスーパーマンによって殺される……という流れが見えてきます。ちなみにKnightmare時の姿は通常時のそれと異なる事が、BvSで示されています。バットマンは通常スーツの上からコートとゴーグルなどを着込んでいました。後に公式に公開された画像により、フラッシュとBvS劇中には登場しなかったサイボーグのKnightmare時の姿まで判明しました。

f:id:the-Writer:20180228153222p:plain劇場版からはカットされましたが、サイボーグが丸く片目が開いた滑らかなフルマスクを装着するシーンがあります。それとKnightmare時の姿が似通っていることもあり、既にKnightmareへとつながる可能性が示唆されているのですね。

f:id:the-Writer:20180228153339p:plainそれが、マザーボックスを落とすカウントダウンが1を切ったわずかな瞬間に起こった出来事です。その時、スーツに搭載された補助用AIも同じものを見ていました。よって、AIは復活したクラークを分析し、将来の脅威になりうる存在としてヴィクターの意志を無視してまで排除しようとしたのではないでしょうか。

劇場版だと、クラークはまだあくまで何が起こっているのかわかっていないだけで、敵対しているわけではありません。それが、サイボーグの唐突な攻撃によってリーグ相手に戦うこととなりました。これなら劇場版よりかなり自然な流れとなるのですが……

しかし、このKnightmareシーンはブルースやヴィクターにその後の重要な行動の契機となっているものの、その発生原因が一切不明のままです。説明が期待されるのが、JL後に予定されているフラッシュの映画『フラッシュ・ポイント(原題)』です。製作が一進一退を繰り返していますが、最近3度目の新監督「たち」がこのプロジェクトに参加したばかりです。

同名の原作コミックではフラッシュが何らかの原因で元の世界線とはかなり違う展開を迎えた世界線に迷い込み、その解決に奔走する___といったあらすじです。いつごろ公開になるのかすらわかりませんが、2016年に広げた風呂敷にようやく決着がつくことが期待されてます……なんて少し脱線してしまいましたが(;´・ω・)

 

 

 

ステッペンウルフのリデザイン疑惑

完全に個人的な推測になってしまうのですが……ジョス・ウェドンによって大幅に作り直されたシーンがいくつか存在しますが、いまいち確証が持てないものの「やっぱり手入ってないかコレ?」というものもあります。

f:id:the-Writer:20180301143310p:plainステッペンウルフです。恐らくシーンのカットにすまされず、(スーパーマンの口髭と同じように)CGを駆使した大規模な変更がされたのではないかと思います。

f:id:the-Writer:20180301143236j:plain
キーラン・ハインズのキャスティングが2016年11月に発表され、彼はこのキャラクターをモーション・キャプチャーを使って演じました。なお、ヒーロー側のキャストとは誰一人共演していないそうです。その姿が初めて映像中に登場したのは、2017年7月の予告編から。劇場公開までに顔が明確に映るものはほとんどありませんでした。

さて、なぜリデザインがあったのではないかという疑問がわいたのか?

根拠1としてBvSとデザインが違いすぎることです。僕も劇場で観ていてもほとんど気にならず、あとからじっくりJLの映像を観て気付いたのですが……BvS時の姿と比較してみました。

f:id:the-Writer:20180228145144j:plain確かに大柄で、二本角というおおまかなシルエットは守っているのですが、よく見るといろいろな点が違います。

BvS→角と一体化したような怪物然とした顔、全身に金属の破片が付いたような刺々しい体、人間離れしたマッチョな体形

JL→角はあくまで兜、顔は人間然としている、普通に鎧を着こんだような体、体形も普通

それに作中で説明された流れを考えてみるとおかしいです。太古の昔、ダークサイドに遣わされたステッペンウルフの軍勢が地球侵略に来た時の姿と、現代のスーパーマンがいなくなった地球に再来してきたときの姿が同じなんですよね。つまり劇場版のままだと、ステッペンウルフの姿は人間→怪物→人間というような変化をしてしまっていることになります。まあ、BvSと姿が違うことに対する反論として、あれはカットシーンだから正史には含まれないだとか、あれは通信用の姿(SNSでのアイコンみたいなもの)というのもあるにはありますが……

根拠2として「CGが雑ではないか」という感想。正直これは観た人の感性に依存するので、事実を立証するための根拠としては弱いですが……一部にはセリフに対して口が動いていないと指摘している方もいます。個人的には最終決戦時の背景含めて、2017年の映画にしてはCGが何とも残念なクオリティではないかと感じていました。

根拠3としてコンセプトアートとプレビズが公開されたことです。

f:id:the-Writer:20180228145309j:plainコンセプトアートはいかにもBvSのデザインを多少アップグレードさせたといった感じで、カラーが付くことでエイリアンとしての生っぽさも出ていますね。これだけなら、「あくまで製作の初期段階はそうだった」で済みます。しかし、2018年1月末になってVFXアーティストからプレビズ映像が公開されました。ご存じない方のために軽く説明いたしますと、プレビズとは簡易的なCGを使って撮りたいシーンをおおまかに再現したものであり、予め可視化することから、PRE-VISualizationと言われます。アニメ制作で言うと絵コンテみたいなものでしょうか。映画だとそれを視覚的にキャストやクルーに伝えてから、撮影および視覚効果を加えて映像を作っていきます。

f:id:the-Writer:20180228145453p:plainJLの製作に携わったVFXアーティストが突如公開した1分余りのプレビズ映像はステッペンウルフのセミッシラ襲撃・スーパーマンの暴走直前を合わせたもの。そこに映っているステッペンウルフは、まさしくBvSで見せた姿が命を吹き込まれたものでした。現在、その映像は削除されてしまっていますが僕もその映像を観ました。所々カットされているものの、一連の流れは劇場版と全く同じでした。

参考までにBvSの映像・JLのプレビズ・JLのコンセプトアート・JLの劇場版のステッペンウルフの比較画像を置いておきますね。

f:id:the-Writer:20180228145620j:plain根拠4として、演じたキーラン・ハインズが不満を漏らしていることです。『スーサイド・スクワッド』でもトリックスターとなる(はずだった)ジョーカーを演じたジャレッド・レトは、自分のシーンを大量にカットされたことに遺憾の意を度々示していましたが……

ソース:ステッペンウルフのキーラン・ハインズがディレクターズ・カットは劇場版よりも良いと語る
2017年12月に開催されたエース・コミコンに出席したハインズ氏にインタビューを敢行したところ、「私があれだけ一生懸命取り組んだのは、あの映画じゃない。ディレクターズ・カットを出してほしい、劇場で公開されたものよりも良いから」。また、その時の様子も「目に見えて不満そうだった」そうです。

 

では、ここまで読んだ方なら既に何となくお分かりかとは思いますが、僕の推測を書いていこうと思います。JLはザック・スナイダーが監督として続投しているので、BvSからそのまま繋がっているかのような作品となり、ステッペンウルフもその一環でした。キーラン・ハインズキャスティング発表時には「外見は少しアップグレードされる」と報道され、BvSのデザインは多少凶悪化する方針で映像化が進んだはずです。そして2016年12月、ワーナー・ブラザーズの幹部たちに向けてこのスナイダー・カットの試写が行われます。この時、幹部たちは「暗すぎる」「長い」などと感じ、それがステッペンウルフにまで及んだのではないでしょうか。

f:id:the-Writer:20180228165249p:plain(↑なんか怖いですね)

映画の縮小に伴ってステッペンウルフの目的は当初のものとはズレ、怪物然としたデザインは一から作り直しです。キーラン・ハインズが2017年6月からの再撮影に参加したかは不明ですが、彼自身の労力以上に大変な苦労を強いられたのが、視覚効果担当だったはずです。今まで2017年11月に間に合う予定に沿って複雑で筋骨隆々の体や表情を作っていればよかったものの、急な変更によって実質すべてパーになり、作業をすべてやり直しになったわけですから。実際の作業はどうなったのかと言えば、当然彼が映るシーンは全て作り直しですし、実は最終決戦は背景含めてほぼ一から作り直しという羽目になったのではないかとすら思います。

f:id:the-Writer:20180301144438p:plainf:id:the-Writer:20180301152601p:plainこの最終決戦なのですが、スナイダー・カットではブルーを基調とした色合いが、ジョス・ウェドンの指示によってレッドを基調とした場面に大きく変更されたのではないか、と踏んでいます。

(ザック・スナイダーの降板が正式に発表されたのが5月なので、それまでに出た2つの予告映像は100%スナイダー・カットの映像であり、貴重なアーカイブ集だと思っています)よって2017年5月以降に公開された映像は、多かれ少なかれジョス・ウェドンによる加工が入った映像が入り混じっていると考えられますね。

f:id:the-Writer:20180301145911p:plainf:id:the-Writer:20180301152452p:plain最終決戦に焦点を当てますと、3月の映像では青かった場面が、7月の映像を境に赤く変更されていっていることがわかると思います。また、地面にはエイリアンの浸食ぶりを表す触手も付け加えられました。

ステッペンウルフのデザインが大きく変更されたのなら、当然ヒーローのパンチや斬撃がステッペンウルフに当たる最終決戦シーンは8割方は作り直しになりそうです。また、ジョス・ウェドンによってカラーリングも大きく変更されたのなら、主にCG撮影用のグリーンバックで撮影したヒーローたちの映像はそのままに、背景まで実質のやり直しになりそうですね。

f:id:the-Writer:20180301152635p:plainf:id:the-Writer:20180301145859p:plain個人的にJLの最終決戦は、MoS,BvSのそれよりもどことなくテンポが悪く、CGが浮いており、ヒーローたちのアクションのつながりがイマイチ不自然な流れに感じていましたが、上記の経緯がそれを説明してくれそうです。よってスナイダー・カットではブルーを基調としたシーンになると思われますが……しかし、一つ矛盾点があります。それはultracal31さんによるリークの

削除:3つのマザーボックスの融合=三位一体が始まり、赤く染まる空と生じる雷という異変に反応する人々。マーサ、ロイス、サイラス、ゴードン、アクアマンが居た村の人々、ロンドンなど

この個所です。まだジョス・ウェドンも参加していない2016年12月にスナイダー・カットのラフカットを見たはずなのに、空が「赤く」なっているんですよね……ごめんなさい、流石にこれに対する上手い説明が浮かんでこないです(思いつく方が居たらコメントで教えてください……)。ultracal31さんの説明は話半分で聞くのが良いと思われます。

f:id:the-Writer:20180301153215p:plainステッペンウルフの姿が初めて出たのは2017年7月の予告編からですから、最初の彼の姿は一般に一切知られることなく、ワーナー・ブラザーズが「明るく」する方針のもと、人間に近く最初よりは怖くないデザインでの製作が進められたのだと思います。なお、前回の記事で書いた通り、スナイダー・カットはVFXもかなり進んだ状態であると考えられています。よってBvSでわずかな間のみその姿を見せた怪物が、自分が覇権を握ろうと画策してスクリーンで動く映像が既に存在し、MoS,BvSのようなハイスピードで3次元空間を縦横無尽に移動するカメラワークで映された充実の最終決戦の映像も、構成は出来上がっているはずなのです。

 

 

 

 

 

最後に、スナイダー・カットは……?

以上、スナイダー・カットは本来こうなるはずだった沢山の点でした。文章化されるだけでかなり盛り上がるので、実際完成した映画として観たらどうなってしまうのでしょうか。上記の情報が全て真実ならば、それらの映像は全て一本の映画として編集が完了した状態で存在しているという事になりますね。一本の映画として既に存在はする……僕としてはかなり嬉しいです。

では最後にスナイダー・カットに関する興味深い情報を一つ。

f:id:the-Writer:20180301143241j:plain

先ほど、キーラン・ハインズにインタビューを敢行した2017年末のエース・コミコンなのですが、ファンメディアのCINEMA CUREのカメラマンがキャスト達に質問したそうです。「そういえばスナイダー・カットってどうなってるんですか?」

サイボーグことヴィクター・ストーンを演じるレイ・フィッシャーは目を見開いて満面の笑みを見せた後、「何も言えないんだ」というジェスチャーを、他のキャスト達は「すみません、それについて話してはいけないんです」と答えたそうです。そのカメラマンに言わせると、レイ・フィッシャーが見せた笑顔は愛想笑いではなく、「僕からも何か話したいけど、ルールが厳しいせいで何も言えないんだ、ごめん!」という感じの笑みだったとか。これはもしや……?