クローバー・バースについて

 2008年4月5日、日本で『クローバーフィールド/HAKAISHA』が公開されました。割とマイナーな部類ではあると思いますが、ポスターは頭部が根こそぎ持っていかれた自由の女神という衝撃的なビジュアル、「その時、何が起きたのか?」というキャッチコピーが観客の好奇心を刺激します。f:id:the-Writer:20170701183447j:plain

その仕掛け人はJ.J.エイブラムス、『ミッション・インポッシブル3』やリブートした『スタートレック』2作と『スターウォーズ』続三部作などに深く携わり、今やその名を広くとどろかせる人物です。f:id:the-Writer:20170701185044j:plain

 

クローバーフィールド』を知らない方向けのちょっとしたお話

クローバーフィールド』は、公開前のプロモーションから映画としてはトップクラスに凝ったものであったらしく、本編を観る上でヒントとなる人物や企業のサイト、意味深なデータを、ネット上に仕掛けておいたものだったそうです。

(仕掛けられたヒントについてはコチラのサイト様が詳しいのでご覧ください↓)

裏#58 『クローバーフィールド』 “HAKAISHA”ネタバレ分析編 (伊藤Pのブログ)

また、予告映像も人々が街を逃げまどうといった映像が主体で何が敵なのかさっぱりわからず、謎に埋め尽くされたものといった感じ。とにかくメインは「謎」なのです。

↑感覚としては、最初に公開された『シン・ゴジラ』ティーザー映像が近いかなぁと。

実際の本編は「登場人物のカメラがとらえた映像」という体がとられており、混乱し、逃げまどう登場人物たちの臨場感や迫力はすごいものがあります。一方で、「巨大な怪物が突如舞台となるNYを襲撃した」ということぐらいしかわからず、裏で何が起きていたのかはよくわからないのです。

しかし、J.J.エイブラムスが製作し、マット・リーヴスが監督している(『猿の惑星/新世紀』やベン・アフレック主演『ザ・バットマン(原題)』の監督)ので、一定の面白さは保証されていると思いますよ。

 

巧みに謎を小出しにしつつ、続編も作るといいながらサッパリ音沙汰がなかったので、「クローバーフィールドは死んだのかな……(´・ω・`)」と一部のファンたちがあきらめていたところ、2016年1月に突如『10クローバーフィールドレーン』の予告映像が投下。

クローバーフィールド』公開から8年、企画はひそかに活動を続けていたんですね、あの時は本当にうれしかったです……

また、『10クローバーフィールド・レーン』を機にクローバーフィールドはその物語や世界を広げることにスイッチが入ったようで、今年の11月に映画シリーズ第3弾の全米公開が控えていますね。

 

クローバー・バースとは ?

2008年に公開された『クローバーフィールド』から始まる映画やコミックで構成される世界観です。2017年7月現在『クローバーフィールド』『10クローバーフィールドレーン』、そして漫画である『クローバーフィールドkishin』が一般向けにリリースされています。そして次にコレに加わるのが、先ほどの映画シリーズ第3弾(正式名称は未だ不明)なのです。

さてさて、クローバー・バースの目的、そしてその行く先とは?

行く先は……わかりません。

しかし、ユニバースの作品群を見ると、どれも共通するのは「何らかの脅威が地球を襲っている」ということなのです。

このユニバースの構築・監督をしているのはJ.J.エイブラムス。彼は以前TEDで「謎の箱」に関するスピーチをしていました。

ここで彼は自身の少年時代の体験から、謎が持つ力を語り始めます。謎とは人の想像心に働きかけ、その人を動かす力を持っています。今も謎に踊らされているからこそ、謎が持つ力を彼は知っており、今僕らに謎をしかけているのですね。

ということで、ユニバースに属する各作品から何とかかき集めた情報を、いかにまとめてみました。

 

クローバーフィールド

2008年5月22日、謎の巨大生物が突如NYに上陸・壊滅させる。この一連の様子は一般人によってカメラに収められ、その記録映像がのちに回収された模様。f:id:the-Writer:20170701212452j:plain

ここからわかること

・(映像で確認できる限り)巨大生物には既存の兵器では全く歯が立たない

・小型の寄生生物がいる

・巨大生物は親子の2匹存在する

・子供の方はまだ赤ん坊であり、陸上という新しい環境下で混乱している。また、何千年も海の下で暮らしていた

・地球外生命体ではない

・本編ラストシーンで海面に落下した物体は日本政府の衛星

・タグルアト社という日系企業は、巨大生物の存在を隠ぺいしている

・海底で海底の蜜という物質を発見しており、中毒性が高い模様

・本編終盤でカメラマンを務めたハッドは子供の方の巨大生物に襲われる際、蜜の香りを感じた←ノベライズ版より

・また、深海での作業現場に寄生生物と思しきものが映りこんでいる←ネット上のヒントより

・捕食性であり、人間やクジラを食べる

・NY上陸前に、海上の油田や軍艦を破壊している
・また、アメリカ空軍との交戦もあった

 

クローバーフィールドkishin』

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・巨大生物は日本にも上陸し、NYと同様惨事を引き起こす

・巨大生物を神とあがめて崇拝する教団が存在する

・巨大生物は1000年前から存在しており、長い間海底をさまよっていた

・その間に教団やタグルアト者に存在を知られ、タグルアト社に実験生物として拘留された

・巨大生物の存在は政府にも知らされておらず、タグルアト社が極秘に扱っていた

・海底で巨大生物と共に羊膜のかけら(ポッド)と呼ばれるものが発見され、それは寄生生物含めた巨大生物に微弱な電波を発して制御を可能とする

・ポッドを有している日本人の少年相場キシンの感情(特に負の感情)に呼応する様子が見られる

・ポッドにはポッドを有していた人間の記憶(感情?)が蓄積される

・ポッドを回収した巨大生物はポッドに蓄積された負の感情に触れると暴れ出し、正の感情に触れると沈静化・海へ帰っていった

・巨大生物は恐らく水圧によって体をつぶされて死亡

・その際、巣?と思しきところで大量の卵と思われるもののうちの一つを抱えて描写は終わる

・海底の蜜は清涼飲料slusho!に含まれている

 

『10クローバーフィールド・レーン』

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・何体もの巨大なUFOが地上を襲っており、致死性の毒ガスを発する

・人類は何とか抵抗をしている

・UFOは撃退不可能な相手ではない

クローバーフィールドの名前がユニバースの作中に初登場、

以下、登場人物のハワードの発言が正しければ……

・軍事衛星に不可解な地球のものではない言語の電波が混在するようになり、ハワードは何らかの攻撃が来ることを知った

・攻撃には第一波、第二波が存在する

 

 『クローバーフィールド3(仮)』
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Cloverfield IMAX Film(原題)

監督:ジュリアス・オナー

製作:J.J.エイブラムス, リンジー・ウィーバー

脚本:オーレン・ウジエル, ダグ・ユング

出演:ダニエル・ブリュール, エリザベス・デビッキ, クリス・オダウド, 

ググ・バサ=ロー, チャン・ツーイー, デヴィッド・オイェロウォ

製作費:10,000,000$(推定)

2016年6月10日 撮影開始

2017年10月27日 全米公開

あらすじ: ~~宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士のチームは、地球の消失を引き起こした実験により、自分たちだけが取り残されていることに気付く。そこにスペースシャトルが表れた時、宇宙ステーションのクルーたちは恐るべき発見により、自らの生存のために戦うことを余儀なくされる~~

A team of astronauts aboard a space station find themselves alone after a scientific experiment causes Earth to disappear. When a space shuttle appears, the space station crew must fight for survival following their horrible discovery.

 

もう公開までおよそ3カ月というところまできて、未だに予告の一本も公開はされていませんが……きっとまた何かサプライズがあるはずです。

 

 

 

 

以上、現在クローバー・バースについて判明していることをまとめました。

ただでさえ情報が少ないので若干煮詰まり気味ではあるものの、敢えて情報を伏せたうえでの展開は興味深いのでストーリーは是非とも追いかけ、J.J監督に踊らされたいです。『10クローバーフィールド・レーン』で地球が外宇宙からの脅威にさらされていることが示唆されましたが、エイリアンの襲撃は今となってはもはや使いまわされ過ぎたネタではあるので、クローバーフィールド・シリーズには何かもうひとひねり期待したいところ。クローバーフィールド第3弾の予告映像、まだかな~……