「守護者」オビ=ワン 空白の19年

f:id:the-Writer:20170507142347j:plainディズニーによるSW初のスピンオフ映画「アンソロジー・シリーズ」は、エピソード4に繋がるもう一つの物語『ローグ・ワン』から始まりました。

個人的には大傑作であり、スピンオフならではの演出や、ファンのための丁寧かつ濃厚な作りこみなど、このクオリティならもっと観たいと思わせてくれる素晴らしい出来でした。

 

今年の2017年12月にエピソード8『最後のジェダイ』、2018年5月25日に『ハン・ソロ(仮題)』、そして2019年5月24日にエピソード9が控えていますが、気になるのはその後の動向。本記事を執筆している現在、2020年以降もSWの映画を製作し続けていくのかは未だ不明なままです。f:id:the-Writer:20170506204756j:plain

(先日のスター・ウォーズ・セレブレーション2017ではルーカス・フィルム社長のキャスリーン・ケネディ氏は「その発表については夏ごろを希望しています」「今は協議の真っ最中です」とインタビューに答えています)

 

今ファンの中で期待が高まっているのがオビ=ワンのスピンオフ。プリクエルでオビ=ワンを演じたユアン・マクレガーも再演することに関しては前向きであり、それなら早く製作に移って!と言いたいところですが……なぜか現状は上記の通り。

先日書いたエピソード8に関する考察(ポジションから読み解く『最後のジェダイ』の考察 - the-Writerのブログ)にてオビ=ワンも登場したことなので、今回はオビ=ワンのスピンオフについて、僕なりの考察(そして願望)をせっせと書いていこうと思います。

 

そもそもオビ=ワンのスピンオフは作られるべきか?

まず、根本的なこの問題を考えていく必要がありますが……

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これは、イエスだと思います。

まず舞台裏的に考えてみます。アンソロジー第1作目の『ローグ・ワン』のストーリーはエピソード4におけるデススターの設計図奪還を描くもの。それが既にあのオープニングクロールで説明されているので、実写化は特に必要ないはずでしたが、実際に公開されてみるとあの完成度。

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一度やると決めた以上、ルーカス・フィルムのスタッフの方々は本気で情熱を持って取り組み、最高の出来に仕上げるので、やはりどうせなら製作した方が良いでしょう。

 

次にストーリー的に考えてみます。

エピソード3『シスの復讐』ラスト、生き残ったオビ=ワンとヨーダは暗黒面に堕ちたアナキンから、彼の子供たちを隠すことに決めました。ここでヨーダのアドバイスを受け、フォースの冥界より戻ってきたかつての師クワイ=ガンからフォースと一体化する術を学びつつ、タトゥイーンでルークをしかるべき時まで守り続ける道を選びます。

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そこからタトゥイーンでの地道で長く、重要な時間を過ごすことになります。その中で幼いルークを陰ながら守り続ける様子が、コミック『オビ=ワン・ケノービの日誌』や、アニメ『反乱者たち』シーズン3で描かれることとなります。そしてエピソード4でいよいよルークと共にタトゥイーンから脱出し、デススター内でシス卿ベイダーと刃を交え、肉体を捨てることとなりますが……

やはり何かが19年の間に起こったような気がします。そもそも、ルークをひたすら守り続けた動機は何なのか。「アナキンの子供がいずれ成長してシスに打ち勝つから」なのでしょうが、エピソード3では明言はされません。僕はここを敢えて、何かそれ以上の意味が込められていたのかもしれない、と深読みをしたいのです。また『反乱者たち』シーズン3にて、「彼(ルーク)が『選ばれし者』だ」と発言しています。「選ばれし者」はアナキンだったはずが、いつの間にかルークにすり替わっているのです。「シスに打ち勝つ=フォースにバランスをもたらす」からルークに「選ばれし者」の名前を与えてよいのか?やはりこれ以上に何か深い理由がほしいところ。そして、エピソード4では、悲劇の決戦を演じたエピソード3から一転、何の躊躇もなくベイダーを敵とみなして戦っています。

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「アナキンはジェダイからシスに転向したのだ」という事実を19年の間に受け入れたのでしょうが、何せオビ=ワンとアナキンは14年も苦楽を共にしました。その過程をすっ飛ばさないでほしい!ユアン・マクレガーによる悲痛な演技が見たいです。

 

そんなわけで、オビ=ワンのスピンオフは是非とも製作されるべきである!というのが結論です。

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……しかし、このエピソード3~4間の空白の19年間のオビ=ワンのストーリーは語られるべきとはいえ、大きな障害があります。彼は、新たなる希望であるルークを守るため、タトゥイーンを片時も離れられないということです。(タトゥイーンはただでさえゴロツキがうろついていて治安が悪いので、成長して自分の足で歩くことを覚えた幼いルークを襲う危機が、『オビ・ワン=ケノービの日誌』で描かれています)このままだと、様々な惑星をめぐる旅や、新キャラクター達との交流といった、SWならあるべき最低限の展開すら危ういのです。ということで、なんとか捻り出したストーリーの元、あってほしい展開を述べていきますね(´・ω・)y--~~ヤレヤレ

 

クワイ=ガンが登場する

やはり、オビ=ワンを主役にするならこのお方は不可欠と思われます。

落ち着きながら堂々とした風貌、ジェダイ評議会からの命令をも無視する独立した傾向____いかにもジェダイ・マスター然としながら評議会の中では異端児という彼は、個人的に好きなジェダイの1人です。そして、オビ=ワンが真に心を開ける師匠であるのでやはり彼が本作品に出るのは必然かと。

f:id:the-Writer:20170507102014j:plainまた、そうでもしないと(見込まれる展開だと)ただでさえ喋る相手がいないオビ=ワンが完全に孤独になってしまうので……

また、フォースと一体化した彼ならフォースを通じて、フォースに関する何らかの真髄を教えてくれそうです。ただし、彼はフォースと一体化する術の修行半ばで命を落としたので、フォースが強い場所でないと姿を現すことができません。これは後述の2つのお話に繋がります

 

タトゥイーンには実はジェダイ寺院があった

これが本当になったら衝撃でしょう。ただ、これまでのエピソードの展開上、タトゥイーンのジェダイ寺院は必要とされなかったので、決して矛盾した設定ではないと思うのです。アナキンが生まれ、そして息子のルークもここで育つので、フォースのパワースポット?のような設定がタトゥイーンに秘められているのかも。

寺院ならフォースが集中する場所なので、クワイ=ガンが姿を現せますし、彼との交信も容易になり、ルークに危機が迫っても察知しやすい。本当にタトゥイーンから出られないならば、この寺院でフォースのヴィジョンを通じて、様々な修行が可能になります。そして、思うに忘れ去られた古代のジェダイ寺院という設定な気がします。これも後述のお話に繋がりますが……

大砂原に住居を構えた後、オビ=ワンがクワイ=ガンの声に導かれ、砂に埋もれた古代の寺院を見つけ(なんともインディ・ジョーンズ的)、「タトゥイーンにこんな場所があっただなんて……」と驚きを隠せない展開を妄想せずにはいられません。

 

アナキンがベイダーになったことを受け入れる

アナキンといえば、ナブーからアミダラ王女を連れて脱出した際、途中で船を治すために立ち寄ったタトゥイーンの部品屋で偶然見つけた奴隷の少年。彼に強いフォースを感じたクワイ=ガンにより、「選ばれし者」であると見出されたアナキンは、クワイ=ガンからオビ=ワンに受け継がれます。

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オビ=ワンにとって、アナキンは自分が最も信頼していた死にゆく師匠から託されたものだったのです。亡き師匠のためにも、最初は反発気味だった評議会を説得して、アナキンにジェダイの修行を施すこととなります。

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同じ時をコルサントジェダイ聖堂の屋根の下で過ごし、クローン大戦という戦争をずっと戦っていくうち、アナキンとは師弟であり、親子であり、兄弟であり、親友であるという唯一無二の信頼関係が結ばれるのですね。

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アナキンにとってそうでったように、オビ=ワンにとってもアナキンは家族だったのです。しかし、状況が生んだ悲劇なのか、シス卿のシディアス=パルパティーンの策略により、承認や愛への渇望という心の隙間に付け込まれたアナキンはジワジワとフォースの暗黒面へと引きずり込まれていたのです。そして、マスター・ウィンドウの右腕を切り落としてしまったアナキンは、シスのダース・シディアスに、師としての忠誠を誓い、ベイダーの名のもとにジェダイたちを皆殺しにしていくのです。

一方、その真実をホログラムで見たオビ=ワンのショックは、『シスの復讐』の映像ではわからないほどに深く、衝撃だったはずです。しかし、アナキンを止めないと銀河が危ない。アナキンを想う気持ちを押し殺して、オビ=ワンは辺境のムスタファーで悲劇の決戦に挑むのです。

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憎しみのこもった目つきで、よく見知っている青いライトセーバーをよく見知っているフォームでたたきつけてくるアナキンの姿は、後からオビ=ワンをどれほど苦しめたでしょうか?自分でアナキンの残った手足を切り落とし、彼が地面にはいつくばってマグマの火に焼かれてあげた痛々しい叫びはいつまでも耳に残ったはずです。オビ=ワンにとっては、トラウマを残しながらもアナキンとの決着がついたはずでしたが……

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決着がついたと思っていたアナキンが、不気味な黒いマスクを被って全身サイボーグ化して、シスの赤いライトセーバーを持ってベイダー卿として生き延びていることを知った時、オビ=ワンが覚えた悲しみとショックはどんなものだったのか。アナキンがシスに転向したことを知った時以上に、衝撃は深かったと思います。

エピソード4、恐らくオビ=ワンとベイダーはムスタファー以来顔を合わせていないので、深紅のセーバーを構えて迫ってくる漆黒の影を、アナキン(だったもの)と認識して即対応に移るのも少し違和感があります。何らかの経緯で、「アナキンがまだ生きている」と知っていたならしっくりきますが……

その事実を知る経緯は、やはりフォースを通じてか、クワイ=ガンによる導きか。

 

これを、是非ともユアン・マクレガーによる演技で、オビ=ワンがいかにアナキンへの想いを手放したのかという過程をじっくりと観たいのです。エピソード4以降のベイダーに対するあの突き放したかのような態度の裏にはどれほどの葛藤があったのか。これはオビ=ワンのスピンオフで描くしかないでしょう。

 

 

エピソード8,9を補完する

オビ=ワンがタトゥイーンを離れられないという制約上、起伏がない味気ないストーリーになりそう☞フォースを通じた精神的な冒険がメインになる……

ここに、僕はエピソード7~9の続三部作のストーリーを絡むのではないか、と思います。『ローグ・ワン』で突如登場した「ウィルズ」は恐らく、エピソード8で明かされるフォースの何らかの真実と関係があるはず。カノン(正史)では、クワイ=ガン・ジンはフォースの女僧たちからフォースと一体化する術を習ったとされています(アニメ『クローン・ウォーズ』シーズン6より)。

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一方、レジェンズ(非正史)では、ウィルズのシャーマンという集団から習ったことになっています。

これが、クワイ=ガンの項との繋がりです。この時点で、フォースと一体化しているのはクワイ=ガンのみ。フォースそのものとなっている彼なら、フォースを通じて、ジェダイとシスの闘争を超えた何かを垣間見、知っているでしょう。そこに、ルークが「選ばれし者」と呼ばれる理由があれば。「選ばれし者」という言葉には、今僕らが知っている以上の、何か深い歴史や意味があるとすれば(これには恐らくウィルズも含まれるはず)。

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ここでオビ=ワンが知る「何か」なら、タトゥイーンでの19年にもなる隠遁生活の動機となるには十分と言えます。ルークに、「君の父親はベイダーに殺された」と教える顔の裏には、更にまだ何かが隠されている気がしてなりません。その「何か」を見込んだうえで、フォースと一体化し、帝国が崩壊してファースト・オーダーとして戻ってきた時、エピソード8の考察に書いた通り、レイのもとに霊体として姿を現し、その「何か」を明かす……

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時系列的にはプリクエルの直後であり、まだオリジナルが始まる前だというのに、シークエルのストーリーが動き出しているとすると、興味深いと思います。

 また、このスピンオフが製作されるならば、エピソード9よりも後になります。シークエル・トリロジーも完結して(恐らく)ほとんどの謎が明かされた後なので、役割的にはオリジナルとシークエルを裏側から補完するものになると思われます。言い方を変えれば、背後で動くストーリーを別視点で描くことにもなるわけです。ユアン・マクレガーも意欲がある以上、是非とも実現ほしいところですが……

 

 

 

 

以上、いかがでしたでしょうか。

トーリーを作るのは厳しいところがありますが、以上に挙げたようなものを例に、可能性はあるので実現した時、どんな代物に仕上がるのか楽しみです。

「守護者」であるオビ=ワンが、もう一度その青いライトセーバーを起動するときは来るのか。僕はその時を楽しみに待とうと思います。

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ポジションから読み解く『最後のジェダイ』の考察

 

スター・ウォーズ/最後のジェダイ』はライアン・ジョンソン監督が贈る、2015年に公開されたエピソード7こと『フォースの覚醒』の待望の続編。

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エピソード8である『最後のジェダイ』ではレイ、フィン、ポーなど新たに登場したキャラクターたちの物語の続きが描かれるものの、肝心のあらすじは未だに明かされないという謎っぷり。今回は、そんな『最後のジェダイ』がおかれているポジションについて考察を行っていこうと思います。

(ここで説明しておきますと、エピソード1~3がプリクエル・トリロジー=新三部作、エピソード4~6がオリジナル・トリロジー=旧三部作ならば、エピソード7~9は「続編」を意味するSequelより、シークエル・トリロジー=続三部作とし、エピソード1~9の本編をサーガ、ローグワンから始まるスピンオフをアンソロジーと呼ぶことにします)

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続三部作を拡張する

伝えられるところによれば、『最後のジェダイ』は『フォースの覚醒』から直結する始まり方をするとのこと。一番最初に公開されたエピソード8の映像より、『フォースの覚醒』のラストを改めて撮影しなおしたような映像が挿入されているので、この情報は確実です。f:id:the-Writer:20170504190649p:plain

今までサーガは作品毎に必ず1年以上の間がとられており、その間に起こった主要な出来事はあのオープニングクロールで説明されますね。このスタイルが破られることとなり、エピソード8がSW界の革命児であることを予感させますが……(実際エピソード8のオープニングクロールはどうなるんだろう)

『フォースの覚醒』を観て思った事の一つは、ビジュアル的には目新しい印象が無いこと。例えば登場するエイリアン種族をとっても、既存の種族があまり登場しない割には新しく登場した種族のデザインが印象的でもなかったり。メカに至ってはX-WingやTIEファイター、スターキラー基地まで含めてもオリジナルからの延長でした(ただし、明記しておきたいのは僕はこれらを批判しているわけではなく、ましてや嫌いでもありませんよ)。『フォースの覚醒』は雰囲気全体としてはオリジナルに忠実であり、どの世代のファンにもなじみやすいものだったと思います。そして、『フォースの覚醒』の役割はSWサーガの再起動であり、新世代への受け継ぎであると僕は考えています。

したがって、シークエル・トリロジーの第2章にあたる『最後のジェダイ』は思いきり新たなる物語を紡いで行けるわけです。

例えばティーザー映像の雰囲気を比較してみると、『フォースの覚醒』は新しくもやはり懐かしく、『最後のジェダイ』は新鮮で目新しい印象を受けます。

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先ほど記述したメカについてなら、身近にある形ながら印象的なフォルムのものが登場し、「さすがデザイン部門」とさっそく賞賛を贈らずにはいられませんでした。

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また、先日開催されたスター・ウォーズ・セレブレーション2017にてインタビューを受けたレイを演じるデイジー・リドリーは「ラフカットを観た何人かの人たちと話したら、『変わってる、変わってる』というの。ライアンにビジョンとイメージがあることに加えて、J.Jが新旧ファンを取り込んだから、彼のやりたいことをする余裕があったと思う」と答えていました。よって、彼のシャープなセンスが新鮮な一作を創り出す事に期待してよさそうです。

また、ライアン監督はTwitterもやっていますが、話題になったツイートをいくつか取り上げると、

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・「エピソード8の脚本を読んだけど、待ちきれない君たちとこれをシェアしなきゃと思った。聞きたいでしょ?」と言うC-3PO役のアンソニー・ダニエルズに対してライアン監督のリプライ

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・「彼らはただ『帝国の逆襲』をコピーしようとしている。新しいものは何もない」とグレッグというファンに対し、「グレッグは正しい、僕は『帝国の逆襲』のコピーに3年間も費やしたんだから」とリプライ

などなど、ライアン監督は確かなセンスに加えて独特のユーモアや皮肉っぽさも持ち合わせているようですね。

 

プリクエルとオリジナルの交差点

先日の『ローグ・ワン』登場のベイダーの記事でも書きましたが、SWは製作順の都合上、より楽しむためには製作側も観客側もプリクエルの要素をオリジナルに盛り込む・刷り込む努力が必要になります(たとえばコミック『ダース・ベイダー』ではベイダーの回想シーンでパドメが登場する・エピソード6の数か月後を描く小説『アフター・マス』にB-1バトルドロイドが登場する等)。例外的に、Ep.6ラストのアナキンのシーンが存在しますが、あれはSWの創造主たるルーカスのみが許される特権かつ例外ですよね。

実は『フォースの覚醒』には「もしもアナキンが登場していたら」というコンセプトアートが存在しています。それがコチラ

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一見よくわかり辛いですが、共通しているのはどれも顔の半分以上が機械化しているということです。機械→ベイダー→ダークサイド、つまりライトサイドとダークサイドの両方にどっぷりつかった彼は、霊体化した後にそれが体に表れたということです。

また、レイがアナキンのセーバーに触れた時に見た意味深なヴィジョン(何気にSWサーガ史上初の過去シーンがです)では、観たことのある景色と共に「そのエネルギーがわしらを包み、結び付けている」「レイ?これが君の最初の一歩だ」とそれぞれヨーダとオビ=ワンの声が聞こえてきました。これは、ヨーダ・オビ=ワンそしてもしかするとアナキンが『最後のジェダイ』で戻ってくる暗示なのではないでしょうか?それもフォースの霊体として。

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ダークサイドから新たな勢力が誕生し、銀河が危機に陥ったその時、フォースと一体化した最強のジェダイ・マスターたちが戻ってくるのです。この3人のジェダイで特にアナキンは「フォースにバランスをもたらす者」「選ばれし者」として役割が大きいので、カムバックを期待したいところ。

また、本当に登場するのであれば、オビ=ワンはプリクエルで演じたユアン・マクレガーのハズ。レイのヴィジョンで語り掛けてくる際、一部オリジナルでオビ=ワンを演じたアレック・ギネスの声が使用されているのは、オビ=ワンの役者の「受け継ぎ」「統合」の意味が含まれていると思います。

そして、この3人がどこで登場するのかといえば、やはりルークがいる惑星アク=トゥーのジェダイ寺院と思われます。それもレイを交えた修行中に。

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ヨーダとオビ=ワンは旧共和国時代にジェダイのいわゆる「傲慢さ」により、シスの陰謀に気付けずに帝国の勃興を許してしまったので、ジェダイの欠点を反省している可能性が考えられます。そしてその真っただ中にいたのが、アナキンなのです。この3人はとても心強い味方となります。カイロ=レンが他のダークサイドの信望者と共に新ジェダイ・オーダーを壊滅させてから、アク=トゥーにこもっていたルークはフォースを通じてジェダイ・マスターたちと交信していたと考えられます。

更に立派なジェダイ・マスターに成長したルークがこの3人と並ぶところを考えてみれば……オリジナルの主人公とプリクエルの主人公がスクリーンで肩を並べて立っているのです。それもルークがアナキンと「父さん」「息子よ」と会話をして。

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これがスクリーンで実現された瞬間、時代の壁に隔てられていたプリクエルとオリジナルが溶け合い、融合して『最後のジェダイ』が創り出すSWサーガの流れに合流するのです。そう考えると、エピソード8は初めてプリクエルとオリジナルが本格的に融合する革命的かつ重要な位置にいることになります。

 

SWユニバース根幹の真実

最近、SWユニバースで強調されていると感じる点があります。

実例を挙げていきますと、

アニメ『クローン・ウォーズ』で説明されたアナキンの「選ばれし者」としての能力

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アニメ『反乱者たち』でのジェダイとシスのホロクロンの融合

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ベンドゥの能力

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アソーカのフォース的な立ち位置

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……これらの要素に共通するのは「ライトサイドとダークサイドの中間」ということです。

 

また、『フォースの覚醒』の「最初のジェダイ寺院」

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『反乱者たち』の惑星マラコアで語られた古代のジェダイとシスの戦争

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ローグ・ワン』で登場した惑星ジェダ(パンフレットによればジェダイの名前の由来にかかわるほどの歴史がある)

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「ウィルズの守護者」

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そして、『最後のジェダイ』に登場する古めかしい数冊の本

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ウィルズに関しては、今度また別途記事を書くことにしますが、これらは全てSWユニバースの古代を物語っています。特に『フォースの覚醒』の惑星アク=トゥーの最初のジェダイ寺院と、『ローグ・ワン』のジェダは、ジェダイの起源にかかわるレベルで重要な設定が潜んでいそうです。

 

したがって『最後のジェダイ』では、ジェダイの起源にまつわる古代のエピソードフォースの中間=ニュートラル・フォースが重要になると思われます。これらは確かにSWユニバースの根幹にかかわる設定となり、ライアン監督がほのめかす『帝国の逆襲』以上の要素となりそうです。ここにフォースと一体化した3人のジェダイ・マスターが関わってくるのが必然ではないでしょうか?

『最後のジェダイ』ティーザー最後で、ルークは「僕が知る真実はただ一つ、ジェダイの終焉の時だ」と意味深に言っています。

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ここからはほぼ推測になりますが……

ここで言う「ジェダイ」とは、「フォースを光と闇に分ける考え」のメタファーと僕は思っています。実際、フォース感応者たちがジェダイとシスに分かれた結果、その抗争の中で数え切れないほどの命が失われてきました。一つの宗教が二派にわかれて争う構図は現実の宗教戦争を思わせるモノですね。エピソード3の「ジェダイとシスはほとんど変わらない」というパルパティーンのセリフ、エピソード6の「真実は視点によって変わる」というオビ=ワンのセリフがこの裏付けになりませんか?

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あれだけジェダイになりたがっていたルークがこのような決断を下すのは衝撃ですが、アク=トゥーにこもっていた中で得た悟りであると思われます(ジェダイを終わらせるからと言って、僕はルークが死ぬとは思いません。その実例が、ジェダイ・オーダーを抜けたアソーカですから)。

 

『最後のジェダイ』のストーリー的には、アク=トゥーを訪れたレイに修行を施す中で、ルークはフォースを通じてレイに真実を教えることになると思います。ここで三人のジェダイ・マスターと共に、ジェダイの歴史や真実を伝え、フォースのありのままの姿=ニュートラル・フォースを教えるのです。

個人的に期待しているのは、このニュートラル・フォースの教えとして「人間は生きていくうえで様々な感情を持つことになる。誰の中にも光と闇はある。その感情に対しては正直に、ただし一つの感情に執着せずに生きていくのが良いんだ」といった、実は身近なメッセージが含まれている事です。家族愛や友情といった普遍的なメッセージがこもっているのがSWの特徴でもあるので、ここは是非ともその流れで言ってほしい所です。

追記:エピソード8で明かされる衝撃の真実として、レイア姫のフォースにおける立ち位置についても明かしてほしいところです。「フォースにバランスをもたらす者」の子供はなぜ二人なのか?兄のルークはジェダイとして、父アナキンをライトサイドに呼び戻し、ダークサイドを打ち倒す役割を果たしましたが……レイア姫はフォースというよりは、政治の道に進んで新共和国に尽力してきました。本当にそれだけなのか?ここの説明にも期待したいところです。

 

 

以上、考察をまとめてみました。

この考察が正しいかどうかはまだわかりませんが、考えてみれば考えるほどに奥が深いことに気づかされ、公開が待ちきれなくなってしまいます。

 

SWサーガのエピソード8『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は12月15日、日本公開。

 

マーク47のアーマーに見るスタークの決意

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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で颯爽とMCUに登場を果たしてくれた「親愛なる隣人」スパイダーマン

既に様々なコミックの要素を現実化したMCUでのクロスオーバーも期待されますが、今度のスパイディは実写映画の中で最年少の15歳。

若くエネルギッシュであり、かつ学校での悩みもあるという青春要素も期待できるフレッシュな一作がこの単独作『ホームカミング』です。

www.youtube.com

「僕の物語_____始まる」

 

『シビル・ウォー』で示唆された通り、アベンジャーズの一員・大富豪・超天才・そしてイヤミで知られるアイアンマンはスパイディのメンター的存在になる模様。

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さらにスパイディの赤いマスクの下は、育ての叔父を失った思春期のピーター・パーカー。彼にとって父親的存在になるのは必然と思われます。

 

さて、予告編2で敵に真っ二つに裂かれたフェリー船をつなぎとめようとするピンチのスパイディ。

f:id:the-Writer:20170430161446p:plainそこに大量の小型補助リパルサーと共に駆け付けたのは、新スーツのアイアンマンでした。

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よく見ると、『シビル・ウォー』で着用していたマーク46と同型ながら、一部のカラーリングがガンメタルに変更されている事がわかります。

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このアーマーはホットトイズの画像から、マーク47であることが確認されました。

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元ネタになったのは、原作コミックの一つである『アルティメット・アイアンマン』とされています。このように、原作コミックの要素をいかに落とし込んでくるかは、アメコミ映画の醍醐味といえますね

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今回はマーク47のこのカラーリングに込められた意味を考察していきます。

確かに「かっこいいから」「前作(『シビル・ウォー』)との差別化を図りたい」「完全新規造形は手間がかかる」「原作コミックの要素を取り入れたい」という製作上の理由はあるでしょうが、設定的な話としてスタークの意図を探っていきます。

 

『シビル・ウォー』でスタークが負った犠牲は本人にとって大きなものでした。

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』では自分が創り出した人工知能が暴走し、世界を滅ぼしかけたことからアベンジャーズして必死に戦いました。よって「尻ぬぐい」と称されてもおかしくなかったのがこのソコヴィア事件。

それ含め、過去に自分が兵器製造によって犯してきた罪の意識にさいなまされ、学生たちに無償でセプテンバー基金などを提供し、罪滅ぼしを続けていましたが……

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ソコヴィア事件で息子を失った母親に面と向かって「あなたのせいだ」と非難されてしまいます。特にソコヴィア事件は自分が発端となっていたために、これに対して感じた罪の意識や後悔は想像できないほどに深かったでしょう。したがって、彼は国連から提案されたソコヴィア協定にサインすることを決意しています。平和のための戦いによって出てしまう犠牲は、キャプテン・アメリカは「犠牲がでてしまうのは仕方がない」と割り切っているのに対し、スタークは「犠牲は絶対に出したくない」という考えで対立が起きています。

そして、キャプテン・アメリカが親友のバッキーを巻き込んだ陰謀に巻き込まれ、ソコヴィア協定へのサイン含めて空港での大バトルへ発展。そのアベンジャーズの内戦の中、スタークの親友であるウォーマシンことローディが撃墜され、半身不随という大けがを負ってしまいました。

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その後、シベリアでキャプテンとの死闘の末、リアクターを破壊されマーク46は機能停止。したがって、アベンジャーズ分裂による辛い記憶含め、マーク46は「犠牲は出さない」という戒めがこもったアーマーであると推測されます。

アベンジャーズの分裂により、未だ活動可能なメンバーは自分を含めてもヴィジョンの2人のみ。とてもチームとして機能しているとは言えないでしょう(だからこそストレンジやスパイダーマンブラックパンサーの勧誘は急務といえますね)。この現状で、今は活動できないローディの意志を継ぐために、ウォーマシンのメインカラーであるガンメタルをマーク46のカラーリングに取り入れ、マーク47として使用しているのではないでしょうか。外見上はマーク46と同じでも、マーク42→43のように多少の改良やマイナーチェンジはありそうですけどね。

よってマーク47は、マーク46アーマーとウォーマシンのガンメタルを組み合わせることにより、「犠牲は出さない」「ローディの分まで頑張る」という二重以上の決意がこもっているのでしょう。

 

 

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何とかギリギリのところで間に合ったのか、「もしも死者が出ていたらどうするつもりだ?」とピーターを叱責するスターク(とはいえ、予告映像を見る限りピーターがまず駆け付けていなければ事態はスタークが来る前に手遅れになっていたとは思うのですが、実際はどういう経緯なのでしょう?)。『シビル・ウォー』で得た教訓がそのまま彼の言葉として出てきているのですね。

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ピーターからスパイダーマンのスーツを没収することにし、「スーツなしでないとだめなら、むしろない方が良い」と返すスターク。『アイアンマン3』でエクストリミスとの決戦を経てスーツ依存症の状態を乗り越え、「スーツが無くても、私はアイアンマンだ」とアイデンティティを確立した彼だからこその言葉です。

 

 『ホームカミング』に登場するスタークはただのゲスト出演などではなく、彼なりに様々な経験を積んできた一人の人間として、ピーターのメンターとしての役割を果たすのでしょう。

www.spiderman-movie.jp

スパイダーマン:ホームカミング』は8月11日、日本公開。

『プロメテウス』から『エイリアン:コヴェナント』へ

多くの謎を観客に残していった『プロメテウス』から5年。

満を持して登場の『エイリアン:コヴェナント』のあらすじには「コヴェナント号が到着した惑星にいたのは、プロメテウス号の唯一の生き残りであるデヴィッドだった」という記述。そうなると浮かんでくる疑問は「ショウ博士はどうなった?」のハズ。

最近公開されたTV Spotでは惑星に墜落していたジャガーノート号の中で投影されたホログラムに、ショウ博士の姿が確認されていますが、何があったのかはわからず。

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本国での公開が迫り、本作はインターネットを介したプロモーションが積極的に行われています。数々の予告編から、本編の直前を描く短編映像、クルーたちのビデオメッセージ、更には人間の体から誕生直前のエイリアン目線の映像まで(←誰得?)

その中でサラッと公開されたのが、『プロメテウス』と『エイリアン:コヴェナント』の空白の10年間を描く短編映像The Crossing。

そこにはな、なんとデヴィッドとショウ博士!こんな重要な情報をインターネット上で公開するとは……そんなわけで今回は『プロメテウス』ラストから本映像含めて、『コヴェナント』に至る道のりの整理・考察を行っていきます。

実はこの後に重大ネタバレがあるので、ネタバレが嫌な人は速攻で本ページからの離脱をお勧めしますよ

www.youtube.com

 

 

 

 

それでは行きましょう。

2094年、Lv-223での騒動を切り抜けたショウ博士と首だけになったデヴィッドは残されていた別のエンジニアの船(ジャガーノート号)に乗り込み、エンジニアたちの母星であり「デヴィッド曰く『楽園』」に向かって旅立ちました。

 

さて「その後2人はどうなったのか」ですがThe Crossingはデヴィッドのモノローグにより進行していきます。

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深宇宙を進むジャガーノート号。

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ショウ博士!髪が伸びましたね。彼女は学者ですが、自分で星間の航路を計算して導き出す姿は、『エイリアン』の一等航海士であるリプリーを連想させます。

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エンジニアにやられて首だけになったデヴィッド。リドリー・スコット監督は『コヴェナント』での再登場に際して、「デヴィッドを再登場させる素晴らしいアイディアを思いついた」と発言していましたが、その答えは「ショウ博士に指示して胴体とつなぎ合わせてもらうこと」だったわけです。おいおい、それだけ?エンジニアの技術をどうこうするとかないの?

この時デヴィッドは「あなたからは同情を感じることができます。他の人からは、もちろんピーター・ウェイランドにはなかったものだ」といっています。

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エンジニアの文化などを研究したデヴィッド主導なのか、なんとか地球から来た2人はエンジニアの船を母星に向けて航行させることができているようです。『プロメテウス』の時から確かに進歩を感じます。笑顔のショウ博士が、「どれくらい遠いの?」と聞くと「言い表せないほどに」と返すデヴィッド。

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エンジニアの装置でハイパースリープすることになったショウ博士。母星に到着次第、デヴィッドに起こしてもらうようです。「お休み」とデヴィッドは装置を閉じます。

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「そして私はまた独りになった。私は彼らについて学び、到着を待った」と独白。ショウ博士がハイパースリープに入って無防備状態なのが何とも嫌な予感がするのは僕だけでしょうか……

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「楽園」に到着!

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エンジニアの母星だけあって、地球とはまた違う街並みや空中浮遊するシュールな形のプラットフォームが高度な文明を持つことを連想させます。それにしても地上に街を築いているあたり、エンジニアは本質的には人間とはあまり変わらないのでしょうか?f:id:the-Writer:20170429191510p:plain

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ジャガーノート号の大きな口から下を見下ろし、「私のわざを見、絶望しろ」とつぶやくデヴィッド。画面上部に見えるのは、大量の黒いアンプル。一体どうするつもりなのか……ここで映像は終わりますが、公式に解禁された画像で続きがわかります。ここから先、超ネタバレ注意

 

 

 

 

 

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野郎、やりやがった

いや、『プロメテウス』の時から胡散臭い行動が目立つ彼でしたがこんなことを……おびただしい量のアンプルに鳥肌が立ちそうです。

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それに加え、画像だとわかり辛いですが(こちらはTV Spotのもの)地面には大勢の住人がおり、黒い嵐が吹き荒れています。これが、予告編にもある「そのままの姿勢で固まったような大量の黒いエンジニアたちの遺骸」になると思われます。

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『プロメテウス』冒頭で描かれた通り、たった椀一杯の黒いアンプルを飲んだエンジニアはDNAレベルまでバラバラに分解され、それが河川に乗ってジワジワと地球全体まで広まり、地球全体の生命の基礎となりました。

それが、エンジニアたちの母星で生命の創造ではなく、破壊が行われたようです。したがってコヴェナント号が到着した「楽園」は無人の惑星は、もともと有人で繁栄していたことがわかります。

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また、河川に乗った黒いアンプルが惑星の自然環境を汚染した可能性も考えられるでしょう。それが予告編にあったあの黒い胞子であり……

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クルーの耳に入ったソレは白っぽい新しいエイリアン(通称:ネオモーフ)を誕生させてしまうようです。

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また、ジャガーノート号の中に既にあったエイリアン・エッグから飛び出してきたフェイスハガーに寄生されたクルーからは、おなじみの形に近いエイリアンが誕生することも推測されます。

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よって今回は軍事目的ではなく、植民地目的で来た非戦闘人員たちに襲い掛かるエイリアンは2匹!ということになります。大変だ……

 

一体、デヴィッドは何の目的でエンジニアたちを虐殺するようなマネをしたのか。登場人物の何気ないセリフでありながら深い意味を持ちそうなこの言葉。

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その目的をたどると、「創造主への反逆」が考えられます。

『プロメテウス』での彼を見ていると、彼は自分がアンドロイド=人工物扱いされるのを嫌がっているそぶりがあるように思います。彼は自分は作り出された存在より、あくまで一個人として扱ってほしい願望があったのかもしれません。それでもなお、ウェイランド社長の指示があるのでアンドロイドであるという呪縛からは逃れられません。したがって、彼は創造主である人間、そしてエンジニアを試しているのではないかと思います。その行く末を、あわよくば滅びるところを見たかった。その格好の道具があの黒いアンプルなのかもしれません……。

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以上、『プロメテウス』から『エイリアン:コヴェナント』への旅を巡った僕の考察でした。

BATMAN v SUPERMAN

2016年3月25日、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』が日米同時公開されました。僕は公開初日に映画館に足を運びましたが、そのてんこ盛り以上の内容に終始圧倒され、最後にはうるっと目に涙がたまりました。エンドクレジットのハンス・ジマー作曲のピアノの旋律が印象的でしたね~

 

バットマンvsスーパーマン』は2年以上もずっと心待ちにしていた作品でした。2013年に公開された『マン・オブ・スティール』はぱっと見名前からはわからないものの、スーパーマンのオリジンを描く作品。スーパーマンって見た目と名前は有名なのに、エイリアンであるという根本的な設定ってほとんど知られていないですよね

なんとなくポスターのクールな雰囲気と、スーパーマンの映画なのに「マン・オブ・スティール」という敢えてカッコよく外したタイトル、そしてスーパーマンの映画であるという点に惹かれてレンタルで見たんですよね。MARVELとはまた違う独特の雰囲気、あまりにも規格外な超次元バトル……おもしろかったです。

そしてインターネットで設定を調べていたところwikipediaにトンデモ情報が。「『マン・オブ・スティール』の続編」「"Batman v Superman"」

……なんだそれは?!バットマンが続編で参戦?スーパーマンと対決??何が起こっているんだ?!あらゆる情報をリアルタイムで追いかけながらずっと心待ちにしていたわけです。SDCC2014のティーザー盗撮映像から撮影現場の盗撮画像まで何から何までですよ、えぇ

ということで、今回は僕の『バットマンvsスーパーマン』に対する「好き」を語ろうと

 

タイトルが秀逸

まずタイトルがロゴ含めて上手すぎること。

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『マン・オブ・スティール』では「S」のロゴ単品だったのが、コウモリのロゴと合体して登場。このコウモリのロゴもかっこいい。

また、対決といっておきながら「vs」ではなく「v」。敢えて先頭に「バットマン」を持ってくる、そしてマンオブスティールが地味に「スーパーマン」として記載されている。DAWN OF JUSTICEというのも最高にクールだ。ファンなら周知の事、後に「ジャスティス・リーグ」というヒーロー連合を結成するのがこの二人。よってJUSTICE=ジャスティスリーグのDAWN=夜明けということ。DAWN OF JUSTICE、カッコイイ響きだ……

これはバットマンとスーパーマンの邂逅の物語であり、対決はあくまで副次的なものでしかないのです。

あとタイトルとはまた別ですが……第2作目であり、「つなぎ」というポジションというのも良いです。この「つなぎ」のエピソードだからこそ、一作目から追加された要素、本格的に動き出す物語、続編ではどうなるのかという興奮は『帝国の逆襲』に通じるものがあると思います。

 

次に、ザック・スナイダー監督のメイン3人に対するアプローチ中心に書いていきますよ~

スーパーマン

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前作『マン・オブ・スティール』で描かれた2013年の「ブラック・ゼロ事件」でゾッド将軍の侵略から地球を救ったスーパーマン。それから彼はどうしていたのかというと、変わらず地球を飛び回って様々な事件の解決に尽力していた様子。

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しかしなお、そのあまりにも強大過ぎる力や彼の自由な立場は「スーパーマンは脅威にもなりうる」という論調を生み出してもいた……

僕はスーパーマンというキャラクターに対して、興味深いアプローチだと思いました。確かに現実にビルをおもちゃのごとくバンバンなぎ倒し、目から熱線を出して空をマッハで自由に飛び回る超人がおり、彼が戦ったことで数千人も死者が出たら不安も生まれますよね。スーパーマンが手放しに地球の人間全員から拍手の嵐や賞賛の渦をうけるわけでもなく、神のように崇拝される一方、その強大な力と立場について議論の的になるのは今までの作品より現実に即した描写だと思います。f:id:the-Writer:20170426223127p:plainまた、ザック監督が得意としている「画になるカット」により、神話を描いた絵画のような雰囲気がスーパーマンを描くのにピッタリでした。それでいて彼もやはり一人の人間として批判に傷ついたりして悩むのが、また面白いですよね。

 

バットマン

恐らく2014年のSDCC(サンディエゴ・コミコン)で公開されたティーザー映像で物議を醸しだしたのが、バットマン。映像では雷雨の夜にビルの屋上にたたずむバットマンがバットシグナルを起動。夜空に移るコウモリのロゴが雷に照らされた瞬間、スーパーマンがそこには浮かんでおり、2人が静かににらみ合う……f:id:the-Writer:20170426224139p:plain

その時、バットマンの目が光り、シルエットが太いので「バットマンの新形態?!」などと思いました。ザック監督、実はフランク・ミラーによるアメコミ『ダークナイト リターンズ』から引っ張ってきたバットマン像を『バットマンvsスーパーマン』に使ったそうです。すっかり年を取り、肉体も衰え、心も灰色の引退したバットマン。線が太めのガッチリした肉体であり、シンプルなスーツといういでたちは丸ごと、今作に引用されています。そして対スーパーマン用のアーマーも(これらのビジュアルは全てばっちり僕の好みなんですよね)。これぞアメコミ映画ではないでしょうか。ザック監督、目のつけどころがちがう……

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この「疲れた」バットマンも『マン・オブ・スティール』から始まったユニバースに違和感なくなじんでいると感じました。それはベン・アフレックによる演技も大きいのではないでしょうか。表面上は最低限の社交的な感じには取り繕っていますが、内に秘める過ぎ去った年月で煮詰まった絶望や怒りを感じさせる演技でした。『ダークナイト』とはまた違う魅力的なバットマンに仕上がったと思います。

 

ワンダーウーマン

前々から公式画像が公開されており、登場が確定していました。

本編ではカメオ出演程度かなと思いきや……

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最高にキレのあるBGMで最高にカッコいい登場を果たしてくれました。しかも、強い。スーパーマンのように空を飛べずとも、超人的な身体能力、剣と盾を駆使した戦法、あふれ出る闘志。使い込まれて色あせたアーマーとその口調からにじみ出る余裕が、彼女が潜り抜けてきた歴史を感じさせます。また、超人集団であるアマゾネス族出身だけあって、BGM(曲名はIs She With You?)のバックで鳴り響く太鼓が、彼女の戦闘部族であるという特徴を引き立てています。それに、あの強さと容姿や装備、演出から「ギリシャ神話の存在として演出しているのかな」と思いました。ワンダーウーマンの実写化では新しいアプローチですが、大成功だと思います。

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キタ――(゚∀゚)――!!

 

他にも、バットマンvsスーパーマンに関して好きな点は沢山あります。また批判的な意見の中に「暗い」というのがありましたが、僕は仕方ないと思ってます。なぜならこれはまだ「邂逅」であり、「夜明け」だからです。「夜明け前が一番暗い」という言葉がありますが、夜明けを迎えた後に、コレが待っています。

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今年の2017年、『ジャスティス・リーグ』が待っています。『バットマンvsスーパーマン』以上に伏線が大量にぶち込まれていることや、他のヒーローたちのライブアクションや明るい楽しいストーリーを期待しています。また、DCEUの作品群もすべて順調というわけではないものの、様々なニュースが入ってくるので、焦らずに作品の質は落とさないでほしいところです。

 

ということで、『バットマンvsスーパーマン』が大好きなお話でした。 

 

 

 

 

オマケ:この『ジャスティス・リーグ』のコンセプトアートがかっこよすぎて好き

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エイリアン・ユニバース

今年の9月15日、エイリアンシリーズ最新作『エイリアン:コヴェナント』が公開されるということで楽しみで落ち着かない僕です。

記事のタイトルにもしましたが、ついにこのシリーズにも「ユニバース」という名前が付くほどの大きいシリーズになってくれました。2012年に公開された『プロメテウス』から入った僕ですが、やはりシリーズのファンとしては感慨深いです_____

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『コヴェナント』公開記念として、ユニバースに対する僕の私見をつらつらまとめていこうと思います。もしも同じファンである「同志」の方が読んでくださっていましたら幸いです(笑)

 

僕はエイリアン・ユニバースは、プロメテウスラインエイリアンラインに分けられる、と思っています。

本ユニバースは1979年に公開された『エイリアン』から始まりました。貨物運搬船のノストロモ号が遠い星系からはるばる地球へと帰還していたところ、小惑星Lv-426から謎の救難信号を探知し、それを調査しに向かう。そこには巨大で異形の異星の船と思わしき遺棄船が静かにたたずんでおり、中にはやはり謎の異星人の遺骸(通称:スペースジョッキー)があったわけですが……

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作中ではほかに見つけた「あるもの」により大惨事が引き起こされ、スペースジョッキーについてはスルーされてしまいます。それ以降に作られた『エイリアン2』『エイリアン3』『エイリアン4』『エイリアンVSプレデター』『エイリアンVSプレデター2』作品群でも謎の異星人の出自やエイリアンの起源といった根本的な設定は描かれませんでした。

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それに対して「そういえばスペースジョッキーってなんだったわけよ?」という疑問を持ったのがシリーズの創造主であるリドリー・スコット監督。以前から自身の仮説として、スペースジョッキーに関して興味深い発言をしていました。それが動機となっていよいよ本格的な計画として動き出し、『プロメテウス』の製作に至ったというわけです。

 

よって、

エイリアンライン→高等種族エンジニアが創り出したエイリアンによる大惨事を描き、全体としてみると小さなプロット。

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該当作品:『エイリアン』エイリアン2』『エイリアン3』『エイリアン4』『エイリアン5(仮)』(『5』とはニール・ブロムガンプが進めているプロジェクトで、新しい『エイリアン3』にあたるストーリー)

 

プロメテウスライン→高等種族エンジニアの謎を求めて、人間そしてエイリアンの起源に迫る壮大なプロット。

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該当作品:『プロメテウス』『エイリアン:コヴェナント』『プロメテウス3(仮)』『プロメテウス4(仮)』(←『3』『4』に関しては監督発言より。3は既に脚本を書き終えているそうな)

になります。

 

 

『エイリアン:コヴェナント』はプロメテウスラインとエイリアンラインがついにクロスオーバーし、更に新しいストーリーが続く……という重要なポジションなことが推測されます。背景にあるのはプロメテウスラインのストーリー、実際にスクリーンで起こるのはエイリアンラインの恐怖……

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地味にプロモーションが進む日本版予告ではついに、エイリアンの起源が明かされるとのことで大変楽しみです!

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『エイリアン:コヴェナント』は9月15日、日本公開。

www.foxmovies-jp.com

クセになる 不思議なクッキング

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まだ未見の方は、本記事を読む前にご覧ください。

 

 

 

 

 

 

なにやら不思議な感じのアニメーションです。

身近にありそうなプラスチック製品に包丁を通すと、それが全く違うものに形を変え、食材として使われてしまう。

一見ありえないこの展開も、ストップモーションによるアニメちっくな演出によって違和感を打ち消しています。むしろクセになる……

サイコロを刻むのもいいですが、やはりボウルに緑色のペースト状のアボガドと他の具材をゴリッゴリッと混ぜ込んでいくのとか、なんか良いなぁ……

手りゅう弾という物騒なものの中に詰まっているのが、火薬ではなくアボガドのペーストというのも肩透かしにも似た方向転換でいいですね~

 

そんな、僕のお気に入り動画の一つでした( ・ω・)y--~~